知って買ってもらうための「客観力」の身につけ方
ECやSNSを通じてビジネスをすることが当たり前となった。日々多くの情報を受け取る消費者に自社の商品を選んでもらうためには、お客さまが興味を持つ点を冷静に見極め、知られるための「客観力」を身につけることが重要だ。本稿では広告クリエイターの嶋野裕介氏と尾上永晃氏が、個人で商売やビジネスを始めている(始める)人たちに向けてもっと世間に知られるための考え方を解説する。
佐賀県伊万里市にあるスーパーマーケット「ファインズTAKEDA」。運営するSMATの社長・竹田智史氏は、副社長で弟の温史氏とともに、TikTokフォロワー数5万人超を有するインフルエンサーでもある。SNSを活用した認知拡大施策をどのように行い、ファンを獲得していったのだろうか。竹田智史氏に話を聞いた。
佐賀県伊万里市に店舗を構えるスーパー「ファインズTAKEDA」。
佐賀県伊万里市でスーパーマーケットを運営しています。私自身は大学を卒業後1年だけ福岡県のスーパーに勤めていた経験があり、現在は社長として経営に携わる傍ら、会社のYouTubeやSNSに出演し、当店の認知拡大に努めています。
当店はそもそもWeb対策に出遅れ感がありました。ホームページも更新することなく放置。Googleで当店を検索すると営業日など間違った情報が掲載されており、これはまずいと思い、独学で対策を学びました。そこからよりWeb対策を強化するため、2018年からYouTubeチャンネル『日本一面白いスーパーファインズたけだ』を開設。YouTubeやSNSでの活動を本格始動しました。SNSではお店のイベント風景や地域の情報をはじめ、笑えるような動画を配信しています。
投稿先はTikTok、インスタグラム、LINEなど様々。最近はTikTokがメインで、過去には投稿した動画が260万回再生されたこともあります。
内容としては、副社長である私の弟が考える替え歌が一番ヒットしていて、その他私自身が考えることも、スタッフにアイデアを出してもらうこともあります。
YouTubeやSNSを始めてからは従来の顧客に加えて、熊本や北九州、遠い所だと関東からわざわざ来てくださる方も。「SNS見たよ」と道端で声をかけてくださる方もいらっしゃいます。
最大の目的は、当店が力を入れているイベントの周知です。当店では「ラーメン積み上げ大会」や「じゃんけん大会」など、店内イベントを定期的に行っています。当初は人づてにしか告知できていなかったので、動画で広く発信することによって遠方の方にも周知でき、同時にアーカイブ配信もしているので、配信前より...