本ページでは前記事で対談した嶋野氏と尾上氏が、過去に宣伝会議メディアで掲載された記事から「客観力」に注目した事例を2人の解説付きで紹介する。
CASE 1
対話から提供したい価値の解像度を上げる
グッドイートカンパニー「HOLON」
「ととのう時間」を提案するクラフトジンのブランド「HOLON」。立ち上げのきっかけは、プロデューサーの堀江麗氏がクラフトジンに出会ったことだ。クラフトジンを楽しむという体験自体が持つ魅力に気付き、頑張らなくても手軽に自分と向き合う時間を設けられるところに惹かれたという。
一方、最初は自分がなぜクラフトジンがつくりたいのか、それによってどんな体験を提供したいのかが、言語化できていない状態だった。そんな中、知り合いのバーテンダーに紹介された大谷省悟氏(301代表)と約3カ月かけてHOLONの在り方を壁打ちし、堀江氏がブランドやプロダクトにかける想いや、その先で描く計画をクリアにし、独自性を生み出した。
【月刊『ブレーン』2022年11月号より】
「客観力」ポイント
今の時代が求める商品を、自分の実体験から導き出したものだからこその確信の強さがあります。プロデューサーの確固たる思いと熱意こそが、その商品のファンを生み、仲間を増やしていきます。また、自分がつくりたい商品や、それがお客さまにもたらす価値を客観視して、言語化できたのが「バーのマスター」を通じて出会ったクリエイティブチーム代表との対話がきっかけで、というのもお酒らしくていいエピソードです。
CASE 2
想いを言語化し整理するプロセスを繰り返す
Greenspoon「GREEN SPOON」
「GREEN SPOON」は、サイト上で質問に答えることで、そのユーザーごとに適したスムージー・スープ・サラダが届く定額制のサービス。Greenspoonの代表取締役CEO 田邊友則氏はブランドの在り方を、創業間もない頃から考えてきた。友人のクリエイティブディレクターやアートディレクターに相談し、「なぜ起業するの?何をやりたいの?」と自分の想いを言語化して整理するプロセスを繰り返したという。その...