知って買ってもらうための「客観力」の身につけ方
ECやSNSを通じてビジネスをすることが当たり前となった。日々多くの情報を受け取る消費者に自社の商品を選んでもらうためには、お客さまが興味を持つ点を冷静に見極め、知られるための「客観力」を身につけることが重要だ。本稿では広告クリエイターの嶋野裕介氏と尾上永晃氏が、個人で商売やビジネスを始めている(始める)人たちに向けてもっと世間に知られるための考え方を解説する。
SNS上で指示されるインフルエンサーを起用した販促手法がスタンダードになる一方、彼らの影響力のみで判断し、効果を生み出せないことも。これからの時代も有効な訴求方法であるインフルエンサーマーケティングについて、Z世代向けの企画会社「僕と私と」の今瀧健登氏が語る。
ショート動画の流行で演技系インフルエンサーが増加。商品を買うことで得られる体験をストーリー仕立てで演じてもらうことも有効な手法。
現在、消費者にとってインフルエンサーは社会的な影響力がありながらも、自分と近い価値観を持ち、リアルな悩みやライフスタイルを発信してくれる身近な存在として日常に溶け込んでいます。それまで憧れの的であった、テレビドラマや舞台に出演する俳優やモデルは、今までと同じように人気があるものの、よりリアルな実態を知れるインフルエンサーの発信は親しみを抱かれやすく、インフルエンサーは芸能人と一般人のちょうど中間のポジションを確立しました。
インフルエンサーマーケティングとは、そんなインフルエンサーの影響力を借りることで商品の認知拡大や販促を目指すというマーケティング手法なのです。
SNSで影響力のあるインフルエンサーを起用して、インフルエンサーマーケティングに挑戦しようと考える企業が多い反面、あまり効果的なマーケティングを実施できていないケースが多いのが現状です。失敗しやすいインフルエンサーマーケティングに注目してみると、大きく分けて3つの傾向があることがわかります。
まず、インフルエンサーマーケティングを行ううえで、フォロワー数やエンゲージメント率などのインサイトだけでインフルエンサーをキャスティングすることは、もっとも陥りやすい失敗です。一見、インフルエンサーの影響力がそのまま可視化されたように感じる定量的な情報は、あくまでもキャスティングの判断材料の1つとして考えましょう。
なぜなら、インフルエンサーそれぞれに、趣味や価値観や発信したい内容、得意な分野があるからです。たとえば、化粧品を販促したいときに、いくらフォロワー数が多くても普段ゲームについて発信しているインフルエンサーをキャスティングしても効果は薄いです。
インフルエンサーのキャスティングを検討するときは、普段発信している内容や得意としているコンテンツ、趣味や価値観を含めて定性的に考えることが大切になってきます。
インフルエンサー自身の定性的な調査ができていても、ターゲットとなるフォロワーについて分析しなければ、思うような結果は出ません。一口にフォロワーと言っても、インフルエンサーごとに異なるフォロワーの属性があります。
たとえば、美容系インフルエンサーの...