コロナ禍でのおうち時間の増加で、快適な自宅環境づくりへの注目が高まっている。洋食器メーカーのニッコーは、プロユースの自社製品の直販コーナーを併設した日用品のセレクトショップの出店で次の100年を見据えたプロジェクトを推進。埋もれている良い製品へ再び光を与える活動拠点とする。
コロナ禍によりオンラインでの商品購入への抵抗感が減った一方で、モノとの偶発的な出会いが減っている。シンプルだが高品質なプロダクトの魅力をいかに伝えるかは、大きな課題だ。
石川県白山市に本社を構える洋食器メーカーのニッコーは、2021年11月6日に雑貨のセレクトショップ「LOST AND FOUND」の旗艦店及びショールームを渋谷区富ヶ谷に出店。世界中のホテルやレストランのテーブルを彩るプロユースクオリティの洋食器を生産・卸売をしてきたが、今回直営店での1アイテムからの小売に踏み出した。
1階には国内外から選び抜いた約800点の機能性と機能美を併せ持つ道具を揃えた。さらに奥には、ニッコーのプロユースのアイテム約400点が並ぶ。地下では、店舗には並ばないオーダーメイドの対応ができるショールーム機能に加え、キッチンスタジオを併設。業務用サイズのキッチンを使ってシェフが料理をつくり、その料理に似合う皿を選ぶことができる。料理写真の撮影もでき、よりメニューを魅力的に見せるためのテーブルウェア選びに寄り添う。
本プロジェクトでは、外部のプロフェッショナルを招聘。トランジットジェネラルオフィスの甲斐政博氏をプロデューサーに迎え、商品セレクターには生活雑貨のセレクトショップ「Roundabout」のオーナーバイヤー 小林和人氏、アートディレクターの平林奈緒美氏をロゴデザイナーとニッコーの新コレクション「REMASTERED」のプロダクトセレクターと、オープン後の店づくりも共に継続して行っている。
店名は、英語で「忘れ物保管所」を意味する。確かな技術を基に長年つくられてきたものが、世の中にあふれた多くのものに紛れてしまったり、時代の流れの中で見過ごされてしまっている。そんな良いものが見つかる場所というコンセプトから名づけられた。
店舗づくりでもその考え方は...