かつては「ご遠慮ください」と注意された、店内で購入前商品を着ての写真撮影。しかし時代は変わり、顧客自身がSNSで情報を拡散するメディアとなった。撮影OKを掲げ、デジタルとリアルを融合した体験コンテンツを揃えることで、ブランドの世界観を発信してもらう狙いを聞いた。

店内は商品をユニセックスにレイアウト。原宿から渋谷につながる歩道に面した入口から店内奥までが見え、入店しやすい雰囲気となっている。
時代の変化とともに、人の価値観は変わる。それに呼応して企業側が顧客に提供するサービスの考え方を見直すこともある。昨今の“世界観”を重視する若い世代に対しては、リアル店舗はより象徴となる意味合いが強く、どれだけ時代に即したサービスを提供できるかは重要だ。
イタリアのファッションブランド「A|X アルマーニ エクスチェンジ」は、世界初となるコンセプトストア「A|X HARAJUKU Cat Street」を原宿・キャットストリートに2021年10月14日(木)にオープン。ジョルジオ・アルマーニの魂を受け継ぐ創立30周年を迎えたイタリアンカジュアルブランドで、キャンペーンキャラクターに俳優の山崎賢人氏を3年連続で起用している。
オープンにあたり導入されたのが、デジタルとリアルで滞在を楽しめる仕掛けだ。デジタルインフォメーションウォールやアプリから注文するAIカフェロボット、オフィシャルサイトから注文したものを受け取れる「A|Xロッカー」などのデジタルとリアルを融合した体験コンテンツを揃えた。原宿の中でも特にキャットストリートは、文化的なイメージをもつ地域であり、今までにないブランドの世界観を主体的に発信するコンテンツや来店客に楽しんでもらえるコミュニティ型の新コンセプトの店舗をつくった。
新たな取り組みとしてのブランド独自のライブコマースなどによって、既存顧客のみならず、A|Xブランドを知らない新規顧客へのニーズを喚起する活動も行っている。1階奥には階段ステージ状の座席もあり、WiFiや電源口を備えることで街歩きの途中にスマートフォンでの充電スポットなどとしても気軽に利用できる演出をしている。
大きな変化が、店内の写真スポットを...