飲食店の苦境が続く中、久しぶりの日本初上陸の出店となったのが「ピーター・ルーガー・ステーキハウス東京」。恵比寿の3階建て路面店はNYのテイストを受け継ぐ一方、予約や支払いではデジタルシフトしている。


恵比寿ガーデンプレイスに隣接する建物は3階建てで、夜にはライトアップされる。2階のメインフロアは天井高約6mの吹き抜けになっており、奥にはNYの店舗にはないライブ感のあるオープンキッチンを設置。
止まっていた時計が動き出した。久しぶりの著名レストランの日本上陸となったのが、2021年10月14日にオープンした「ピーター・ルーガー・ステーキハウス東京」だ。
日本上陸の端緒は2015年までさかのぼる。国内外でおよそ120店舗の飲食店を運営し、「ジャン・ジョルジュ トウキョウ」「ユニオン スクエア トウキョウ」などNYの人気レストランの日本進出を実現してきたワンダーテーブルの代表取締役会長 林 祥隆氏と同社長 秋元巳智雄氏が、知人からの紹介でピーターファミリーの経営陣と対面。
その後もNY訪問の度に交流を深める中で、日本進出の相談を受ける。当初はサポート的な見地からアドバイスや情報提供をしていたが、ぜひ一緒にとのオファーを受け、2018年に日本での店舗展開の独占契約を締結した。
出店は恵比寿ガーデンプレイス近くの周囲に遮蔽物がない路面店を選択。同社マーケティング部部長の竹原真理子氏によると当初の契約では2020年中の開業予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大によって2021年中へとずれ込んだ。
「ピーター・ルーガーを日本で開業するのであれば、可能な限り本物に近づけ、まるでNYの店舗が東京に再現されたかのような雰囲気でつくりたかった。サッポロ不動産開発が所有する同物件は、外観は現地をほうふつとさせるレンガ壁の佇まいで、まさに思い描いているイメージにマッチした。理想とする店舗をつくり上げることができました」。
日本の出店でもNYで提供されるメニューやスタイルは基本的には変えていない。店内奥には完全非公開の30坪の熟成庫をつくり、10トンの牛肉を秘伝のドライエイジング製法で熟成。ステーキの価格もNY同様に時価で設定されている。ランチタイム限定で熟成肉を使った特製パテにアメリカンチーズを乗せ、バンズで...