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「リアルな体験」の価値

変化に対応して、選択肢を用意『ゲスト中心』の新しいウェディング

松田佳大氏(CRAZY)

表参道にある結婚式場「IWAI OMOTESANDO」は、“ゲスト中心”をコンセプトにした新しいスタイルのウェディングを提案している。なぜ、そのような新しいスタイルが生まれたのだろうか。

結婚式のあり方を再定義

──「IWAI OMOTESANDO」について教えてください。

「IWAI OMOTESANDO」は、新しいウェディングスタイルとして、“ゲスト中心”をコンセプトに掲げており、新郎新婦のみにスポットを当てるのではなく、新郎新婦の家族や友人という「大切な人たちと一緒につくる結婚式」を提案しています。

実は結婚式の形態というのは、約50年ほど変わっていません。というのも、結婚式は人生に何度も開くものではなく、そのあり方について考える人はほとんどいないからです。しかし、趣味嗜好が多様化した現代では、結婚や結婚式に対する考え方自体は大きく変わっています。特に、ここ数年はコロナ禍もあり、ウェディング業界はその変化への対応が求められています。

当社では、創業時からCRAZY WEDDINGとして時代の変化に対応しながら、1人ひとりの人生に寄り添って、最適なウェディングの形を提案する「オーダーメイドウェディング」やオンラインで完結するオンライン結婚式サービス「Congrats」などの事業を展開してきました。そして今、結婚式のあり方を考え、再定義し、事業の軸として展開しているものが「IWAI OMOTESANDO」です。

── “ゲスト中心”の結婚式とはどのようなものでしょうか。

「IWAI OMOTESANDO」の結婚式は、大勢の方へお披露目するような披露宴スタイルではなく、大切な家族や友人と一緒に楽しむことが目的です。そのため、招待できるゲストは最大70名と限られた人数になっており、サービスや設備もゲストを中心に考えて設計しています。

例えば、ゲストの待合場所となるエントランスにはポストが設置されています。ここには、結婚式当日になると、新郎新婦からのそれぞれのゲストに宛てた手紙が投函されており、式場に到着したゲストは、まずこれを受け取り、新郎新婦からの感謝や想いを受け取ります。また、エントランスには新郎新婦の思い出の品を展示する場所もあり、それぞれがどのような人生を送ってきたのか、ゲストに伝える場も用意しています。

挙式を行うチャペルでは、新郎新婦だけでなくゲスト全員をお祝いするという意味を込めて、ゲスト席は向き合う形になっています。パーティ中は、お色直しの時間はなく、新郎新婦がゲスト1人ひとりを紹介する時間を用意しています。パーティールームもあえて新郎新婦の席は用意せず、ゲストと同じテーブルに座っていただいたりと、通常の結婚式とは大きく違う点がいくつもあります。

ただ、われわれはこのゲスト中心の結婚式が、今の時代のアンサーだと言っているつもりはありません。結婚式の1つのあり方だと考えており、選択肢として...

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