2018年に発売50周年を迎えたタカラトミーのボードゲーム「人生ゲーム」。その認知度は90%近く、国民的ボードゲームとも言えるロングセラー商品だ。ことし5月の改元に合わせた「人生ゲーム+(プラス)令和版」も話題となった。50年も愛され続ける商品の仕掛けをタカラトミーの池田源氏に聞いた。

「飽きられない」「忘れられない」工夫を
──近年の「人生ゲーム」の販売状況について教えてください。
昨年の発売50周年に合わせてプロモーションを強化していたこともあり、直近の5年で164%近く伸びています。
──50周年のプロモーションでは、どのようなことをしましたか。
「人生ゲーム」は日本の約90%の人が知っていて、遊んだ経験がある人も多い商品です。ただ、遊ぶタイミングはお正月やお盆、大型連休など、家族や友人が集まる機会に集中しています。
つまり、それ以外の時期は押入れなどにしまわれており、日常的には遊ばれていないケースもあります。認知度は高くても、常に遊んでもらえなければいつか忘れられてしまいます。
そこで、さまざまな企業や団体などとのコラボレーションを実施しました。「人生ゲーム」にふれたり、名前を聞く機会を多く設けることが目的です。
日清食品の即席めん「出前一丁」や、集英社の漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』とのコラボは、1968年発売という共通点によるものです。「出前一丁」の5食入りパックにオリジナルの人生ゲームを同封した企画は、流通の方からもご評価いただけたと聞いています。
また、ロックバンド「B'z」の30周年イベントでは、会場限定販売の記念版「人生ゲーム」を製作し、初日に在庫がすべてなくなるほどの反響でした(好評だったため、のちにWebでも販売)。「B'z 30th Year Exhibition"SCENES"1988-2018」という展覧会での限定販売だったため、会場付近を歩く人の多くが「記念版人生ゲーム」を持っていたことは、ソーシャルメディアでも話題になりました。
こうした企業間コラボの一方で、公立学校の授業に地域学習の一環として取り入れてもらい、オリジナルの人生ゲームを一緒につくる取り組みもしています …