2004年にPlayStation2向けに発売し、その歴史をスタートした「モンスターハンター」シリーズ。以降対応ハードを広げたり、全世界でのイベントに積極的に参加したりすることで、プレイヤーが世界規模で増え続けている。2018年1月に発売した最新作「モンスターハンター:ワールド」の累計出荷数は1300万本に到達。この9月には超大型拡張コンテンツの発売を控える同作品のヒットの理由をカプコン 常務執行役員 CS第二開発統括 兼 MO開発統括 プロデューサーの辻本良三氏に聞いた。
──「モンスターハンター:ワールド(MHW)」の販売動向はいかがですか。
7月18日時点で累計出荷数は1300万本に到達しました。本作の発売から1年半以上経過していますが、いまも販売数は伸びています。大型拡張コンテンツとなる「モンスターハンターワールド:アイスボーン(アイスボーン)」を9月に発売すると公表したことが、販売の追い風にもなっています。
新規プレイヤーの獲得のきっかけのひとつは、「モンスターハンターシリーズ(モンハン)」の既存プレイヤーの方々。オンラインで協力してプレイできるので、誘われて始める方が少なくありません。シリーズ作品のプレイ人口の増加にも手応えを感じています。
──ここまでヒットした要因をどう分析していますか。
プロモーションの面でいうと、ワールドワイドに展開することを意識した点です。「MHW」は「モンハン」シリーズで初めて全世界同日発売をしたので、1年を通じて、どのプロモーションをいつ行うのか、情報を各地域で均等に発表できる手法を考えました。
発売前のフォーカステスト(発売直前にデモ版を公開し、実際にユーザーにプレイしてもらうテスト)で試遊してもらう際も、どの地域を最初にするのかなど狙いを持って進めました。結果的にさまざまな地域でテストを行い、意見を聞くことができ、ゲームの開発やプロモーション戦略に生かすことができました。
ゲームの内容面では、初めてモンハンをプレイする人を意識して開発しました。既存プレイヤーにとっては“常識”でも、新規プレイヤーにわからないことはたくさんあります。世界各地で試遊してもらいましたが、どの地域でも、シリーズ未プレイのユーザーからの要望や改善点は共通していました。そこで、「MHW」は新規プレイヤー向けにわかりやすさを追求した機能や設定を取り入れています。
グローバルな規模で多くの人に遊んでもらいたいという思いはありましたが、「MHW」以前から「モンハン」シリーズは日本ではヒットタイトルでした。そのため、新規プレイヤーばかりに意識が向いてしまい、既存ユーザーの気持ちが離れないようにバランスを保つことも重要視しました …