ワークマンは、2018年9月にアウトドア・スポーツテイストのカジュアルウエアを扱う新業態「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」をオープン。従来のメインユーザーであった建設現場などで働く「プロ」から、一般消費者へ顧客を拡大することに成功した。5月には「WORKMAN Plus」の出店を加速し、既存店の改装も進めることを発表。新業態でヒットを生んだワークマンの土屋哲雄・専務取締役に仕掛けを聞く。
──「WORKMAN Plus」の出店を拡大し、フランチャイズ加盟店の年商2億円を目指すことを発表されました。2020年3月末には当初の計画より早く77店舗になるそうですが、現在の状況をどう受け止めていますか。
当社の2019年3月期の売り上げは930億3900万円で、前年比116.7%となっています。「WORKMAN Plus」は、新規オープン店と既存店の改装店があるのですが、新規店はその出店地区の従来の「WORKMAN」店舗の平均以上、改装店については、改装前年の2倍の売り上げを記録しています。一時的なものですが、改装店の中には前年比700%となった店舗もあります。おかげさまで、いまは、店舗数を拡大すれば売り上げも伸びるという非常に好調な状態です。
もともとは、従来の「WORKMAN」の100坪程度の路面店ではなく、200坪くらいでないとカジュアルウエアの販売は難しいと言われていました。そこで「WORKMAN Plus」の1号店はショッピングセンター(SC)内に出店することになりました。
当の言説についての検証となったのは2号店です。こちらは路面店なのですが、1号店と変わらないくらい売れたのです。それで従来通りの100坪程度の規模で、新規出店や改装などで店舗数の増やすようになりました。いまSCは店舗づくりの実験的な場として活用しています。とはいえ、ここまで早く成果が出ることまでは予想していませんでした。
──新業態「WORKMAN Plus」を始めるきっかけや、それで解決を図ろうとした課題は何だったのでしょうか。
5年前、2019年3月期までの「中期業態変革ビジョン」を策定し、その目標のひとつとして、新業態と新フォーマットを開発することがありました …