昨今、地域の特産品の発掘・開発がブームだ。ただ、自治体アンテナショップや民間のセレクトショップは飽和状態にある。そんな中で、独自の工夫によって消費者の支持を集めるショップがある。
秋葉原~御徒町間のJR高架下に立地する「日本百貨店」。一言で言えば、全国から伝統工芸品や農産品を集めたセレクトショップだが、他のショップと日本百貨店の大きな違いは「人」にある。
ここでは、職人や農家などの「作り手」が全国から集まり、日々店頭に立って消費者と直接会話し、商品を手渡す。2010年のオープン以来、このコミュニケーションや新しい出会いを楽しみに多くの人が店を訪れ、現在運営店舗は7カ所に拡大している。
代表取締役の鈴木正晴氏は、日本百貨店を“作り手と使い手の出会いの場”と表現する。「私たちの商売はモノではなく人ありきです。仕入れの前は、必ず現地に行って生産者と話したり、商品を食べたり、手にとったりして信頼関係を築いています。人との付き合いがあるからこそ、モノとその背景が理解できて惚れ込むことができるのです」
仕入れ時には、作り手に、東京に来る機会があれば30分でもいいから店に顔を出して来店者と話してほしい …
あと53%