ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。
社名の「ビクセン」とは、サンタクロースのそりを引いているトナカイの中の1頭の名前。そりを引くトナカイのように「幸せや感動を届ける会社になりたい」という想いが込められている。ビクセンの天体望遠鏡は、国内トップシェアを誇り、海外での知名度も高い。近年は、星空に親しむ女性を意味する「宙(そら)ガール」を提唱。幅広い年代の女性および家族の中の母親を対象にして、星空の楽しさを伝えるマーケティング活動にも力を入れている。
ビクセン 代表取締役社長 新妻和重氏(にいつま・かずしげ)
埼玉県出身。中央大学卒業後、公認会計士事務所に就職。公認会計士二次試験合格。企業会計、経営相談、相続対策などの業務に従事する。38歳でビクセン社外取締役就任。翌年、公認会計士事務所を退職し、ビクセン取締役となる。40歳で代表取締役社長(8代目)に就任する。現在、代表取締役就任8年目。
星空に親しむ「宙(そら)ガール」を提唱
ビクセンは、天体望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡などを製造・販売する光学機器メーカーだ。特に天文ファンの間でのビクセンの知名度は抜群で、天体望遠鏡の国内販売シェアは約6割に上る。
同社は「星を見せる企業」というビジョンを掲げ、製品の開発・製造のみならず、マーケティングや販売促進においても行動の指針としている。
2009年からは、星空に興味を持ち、積極的に天文情報に親しむ女性たちの総称として「宙(そら)ガール」を提唱。“おしゃれ”や“気軽さ”などをコンセプトに、宙ガールをキーワードにしたマーケティング施策を展開している。
その一例として挙げられるのが、今年7月5日に、東京・原宿で開催された「サマーバレンタインパーティー2015」だ。これは、メリーチョコレートカムパニー、スイーツ好きな男性が集まり活動している「甘党男子」、ビクセンの宙ガールの3者によるコラボレーション企画。イベントタイトルにある「サマーバレンタインデー」とは、七夕の星に願いを込めて、大切な人に星形のスイーツをプレゼントする日のことだ。
イベントでは、ショコラカラーのオリジナル天体望遠鏡が初公開された。宙ガールは、流れ星に隠されたエピソードや七夕の星空についての解説を行い、甘党男子はミニライブやトークショーを展開し、会場は大いに盛り上がった。
サマーバレンタインパーティー2015
メリーチョコレートカムパニー、甘党男子、宙ガールの3者によるコラボレーション企画。ショコラカラーのオリジナル天体望遠鏡が初公開された。
星空イベントをコラボで展開
等々力陸上競技場フィールド内に特設された「Vixen presents 等々力天体観測所」
明治安田生命J1リーグ 川崎フロンターレ対FC東京戦でのイベント企画「天の川クラシコ」に特別協賛。星空を楽しんだ後は、そのままテントを張って宿泊した。
ビクセンの販促イベントで特徴的なのは …