ネット通販の利用が広がり、日本通信販売協会の調査によると、2006年から最も利用される手段となり、もはや定着している状況。ネットであることを意識せずとも「当たり前」のこととして利用する世代が出てきて、パソコンだけでなくスマートフォン、タブレット端末が普及してきたことで、ネット通販利用はどのような状況になっているのだろうか?
2008年から実施しているこの調査は、2013年に行われた第6回が最後だという。その理由について、日本通信販売協会 事業部課長の三浦千宗(ゆきのり)氏は「もはや、ネット通販の利用が当たり前なので、そこだけ切り離して調査する必然性が薄れたため」と話す。
そうした中でも、最近の傾向として顕著なのが、スマートフォン、タブレット端末などを利用したモバイル通販の利用だ。グラフ4にある通り、利用経験がある人の割合が顕著に高まっている。「モバイル通販の利用率が高いのは20〜30代。商品で言えばアパレル・ファッション系がけん引している」(同事業部 田邉 薫氏)。
また、商品を知るきっかけや購入の決め手となった情報をどこで得たか、ということについても、その経路に変化が出てきているようだ。知るきっかけについては、「憶えていない」という回答が増えており、これは、あらゆるところで情報が発信されるため、どこで目にしたのか、本人も自覚していないという状況が起きているとも考えられる。また、情報が多すぎると感じる消費者が何を行っているかが表れているのが、「インターネット通販サイトの選び方」の項目(グラフ3)。「良く買う店舗をブックマークして買う」と回答した人の割合が特に若年層で高い。つまり、情報過多の中で、いかに効率的に情報を得て購入までの手間と時間を軽減するかということに力を入れるようになっている。逆に、「検索サイトで商品名を入れる」という選び方をしているのは、上の年代に多い。このように、特に若年層においては、「検索サイトに商品名」という買い方に加え、「お気に入りの店舗をまず見に行く」という買い方とを使い分けているようだ。