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ヒットの仕掛け人

メディアキャラバンと試食で大ヒット!フルーツ需要の喚起にも

ドール「ヨナナスメーカー」

大滝尋美氏
マーケティング部 シニアマネージャー
1994年ドール入社、マーケティング部配属。広告、PR、ブランド管理、新商品開発、アンテナショップ開発等に携わる。第58回カンヌ・ライオンズ(2011年)のPR部門で「東京マラソン・スペシャル・バナナ」銅賞受賞。

「ヨナナス」とは、冷凍させたフルーツで作るアメリカでは人気のデザート。そのヨナナスを手軽に作れる「ヨナナスメーカー」は、アメリカをはじめ世界で300万台以上の販売実績がある。2013年1月、「ヨナナスメーカー」がついに日本上陸した。発売元は、フルーツの生産・販売を手がけてきたドール。これまでにない新食感のデザートを作れる商品の独自性が話題となり、またたく間に大ヒット。フルーツの新しい食べ方を提案するとともに、フルーツの需要喚起につながっている。

今回の仕掛け人は、マーケティング部 シニアマネージャーの大滝尋美氏。全く新しいデザートマシーンである「ヨナナスメーカー」の認知を向上させるため、メディア露出を狙ったPR活動が奏功した。また家電量販店の売り場では、実演や試食を柱としたプロモーションを展開。後に、従来からの取引先であるスーパー店頭でのデモ販売もスタートさせるなど、消費者接点を広げることでさらなる販売増につながった。

2013年1月発売。当初は単色(シルバー)での展開だったが、14年4月末からはユーザーの人気投票で選ばれた新色3色(ストロベリーピンク、ココナッツホワイト、バナナイエロー)が加わった。また、高級感のあるボルドーレッドを用いた上位機種も5月末に発売予定。

実演、試食によるおいしさの実感が販促のカギ

――世界で先行販売されていた「ヨナナスメーカー」が、日本でも販売されるようになった経緯をお聞かせ下さい。

大滝▶ 「ヨナナスメーカー」は、冷凍したフルーツで手軽にデザートを作ることができる調理家電です。そもそもフルーツを生産・販売する当社が調理家電を販売するようになったのは、当時のアメリカ本社の会長がこの商品を知り、「フルーツをおいしく楽しく食べていただく提案をしてきた私たちこそが、取り扱うべき商品だ」と決断したことがきっかけでした。これを使えば卵や砂糖、牛乳を一切使わずにデザートを作ることができるため、それらの食材にアレルギーを持つ人や、ダイエット中の人にも安心して食べていただくことができます。「私たちがやらなくてどうする!」という意気込みでスタートしました。

とはいえ、私たちが家電を売るのは、ドールの150年以上の歴史の中でも初めてのことです。しかも、当時日本では家電に多機能性が求められており、ヨナナスというデザートを作るためだけの単機能商品が売れるのか疑問でした。その反面、シンプルな構造ゆえに、食洗器でも洗えて後片づけが簡単であるのは強みです。それに何より、自分たちでヨナナスを作って食べてみたらすごくおいしかった。実際に食べてもらえれば必ず購入につながるし、これでならフルーツの新しい食べ方を提案できる。そう考えて、「健康」というキーワードを軸に、メニュー提案を含めて打ち出していくことに決めました。

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