2017年に放映された「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」というコピーで知られるテレビCM(01)を皮切りに、刻々と変化する世の中の「結婚観」を捉え、果敢に発信をし、共感を生んできたリクルートの『ゼクシィ』。非常に個人的かつセンシティブなテーマだが、どのように世の中の空気を捉えてきたのだろうか。
クリエイターの役割は「窓を開ける」こと
2017年から毎年『ゼクシィ』のブランド広告を手がけてきたのは、博報堂クリエイティブ・ヴォックスのクリエイティブディレクター小島曜さん。「あなたとの未来が私の一番かなんて知らないけれど、どんな未来もあなたと生きたい。」(2018年「一万回のキス『ただ、愛してる』」篇)(02)、「あなたと幸せになることを私は、私に誓います」(2019年「花嫁の歌」篇)(03)、「あなたが幸せなら、それでいい。」(2023年)(07)といったコピーを冠する広告シリーズを展開してきた。
「ゼクシィは、世の中の結婚観が激動する中で、それでも『一緒に生きると決めたふたりを応援する』ことを続けてきました。その中で僕...