3Dプリンティングをはじめ、デジタルデータをもとにした創作技術「デジタルファブリケーション」。これらは広告・デザイン領域の可能性をいかに広げていくのか。TOKYO2020の表彰台プロジェクトなどを手がけた、平本知樹さんが解説する。
製作の幅を広げる「ファブ施設」
このコラムのタイトルにもある「デジタルファブリケーション」とは、3Dプリンティングなどの技術の総称です。デジタルファブリケーションについて英語のWikipediaで見てみると「デジタルモデリング&ファブリケーションとは、3DモデリングやCAD(Computer-Aided Design)と、設計・製造プロセスのことである」(一部抜粋)という文章が出てきます。簡単に言うと、パソコンでものづくりを行うことになります。コンピュータでデザインを行い、そのデザインデータを機械に転送しものづくりを行うということです。
ものづくりのためのデジタルデータは3D系と2D系の2つに分類されます。3D系は3DCADなど立体を扱うソフトウエアで加工用データを作り、そのデータを元に3DプリンタやCNCマシンなどの機械で製作します。普段の業務で、ディスプレイを通してデザインを行っていたCGクリエイターや、3Dパースをつくっていた建築やインテリアデザイナーの方の中にはデジタルファブリケーションを通して表現の幅が広がった人もいたことと思います。また、既にあるものを立体的にスキャンする技術(3Dスキャン)などもあるのですが...