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デジタルファブリケーションで広がるデザインの可能性

この10年の3Dプリンティングの進化

平本知樹

3Dプリンティングをはじめ、デジタルデータをもとにした創作技術「デジタルファブリケーション」。これらは広告・デザイン領域の可能性をいかに広げていくのか。TOKYO2020の表彰台プロジェクトなどを手がけた、平本知樹さんが解説する。

この10年の3Dプリンティングの進化

3Dプリンタという機械については多くの人が耳にしたことがあると思います。その技術自体は1980年代に開発されたものですが、その特許が切れると、次々と低価格の個人で購入できる機種が発売され、PC(=パーソナルコンピュータ)に倣って、パーソナルファブリケーション、デスクトップマニュファクチャリングなどという言葉が生まれたのは約10年前、2010年代前半のことです。

当時の3Dプリンタは安かろう悪かろうで、低価格マシンは精度も悪いことがほとんどでした。2010年から3Dプリンタをはじめとするデジタルファブリケーション機器を使い倒し、2012年に個人で3Dプリンタを買って組み立てていた時は多くの失敗と少しの成功の繰り返しだったことを覚えています。

10年の時を経て、3Dプリンティングは現在進行形で進化しています。大きく分けて「複合材料化」「大型化」「高速化」という3つの進化が進んでいます。

複合材料とは、これまでPLAやABS、ナイロンといった未使用かつ単一のプラスチック素材がメインの材料であったのに対し、木材やグラスウールなど、樹脂に混ぜ込むことができれば3Dプリンティングの材料として...

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