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感じるブックジャケット(AD)

「触れる」ことの価値を考えさせてくれる紙

NTスフール×田中せり「Bodies」

電子書籍では得られない紙の本の魅力のひとつが、手触りや質感だ。ブックジャケットをつけられるのも本ならではの楽しさ。このコーナーではさまざまな質感を持つ竹尾のファインペーパーを使用し、そこに多彩な印刷加工技術を掛け合わせることで、触って感じる新しいブックジャケットを提案していく。

もっと触れたくなる紙

やわらかくて、なめらか。しっとりとした独特の質感を持つファインペーパー、それが今回のブックジャケットに使用したNTスフールだ。主に書籍の装丁やパッケージ、名刺や招待状などに使用されている。

「湿度と産毛のような質感があって、何度も撫でたくなってしまう触り心地。まるで赤ちゃんの肌のようです」と、電通 アートディレクター 田中せりさん。いくつかの候補の中からNTスフールを選んだ理由を、田中さんは次のように話す。「新型コロナウイルスの感染拡大後、私たちの生活において"触れる"ことの価値が大きく変わりました。今、"触れる"ことはセンシティブな行為として捉えられています。そのため、人の肌と肌が触れるという行為は、"特別な体験"と言えるものにもなっています。そんな時だからこそ、この紙をぜひ使ってみたいと思いました」。

田中さんは、NTスフールのカラーバリエーションを見たときに、人の肌を連想したことから、人間の体の一部をモチーフにブックジャケットをデザインした。「触感が特徴的な紙なので、デザインでより紙に触れたくなるきっかけをつくれたら、と思いました」。

緑と赤の色箔の点で描かれたのは、手と目。体の色々な部位を組み合わせて描いた中から、このデザインを選んだという。点描にしたのは、「絵が解読できるぎりぎりまで情報を省くことで、ブックジャケットを使う人にイメージの余白を与えたい」と考えたからだ。「同じ人の手と目なのか、それとも別々の人の手と目なのか、手で目を覆い隠そうとしているのか、目を差し出している手なのか⋯⋯、ブックジャケットを手にした人の想像に委ねたいと思っています」。

色箔によるツヤがしっとりとした紙の質感と相まって、ブックジャケットを手にしたときの楽しさを増している。

酒造会社のブランディング「せんきん」

庭師のロゴ「PuaLoa」

    今月使った紙:NTスフール T-100 1070×788mm Y目

    やわらかくなめらかな、独特の触感のファインペーパーです。個性的でありながら上品な印象を与えます。

田中せり(たなか・せり)
1987年茨城県生まれ。2010年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。同年電通入社。JAGDA新人賞2020受賞。

編集協力/竹尾

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