編集部が街で気になった様々なデザイン
BOOK
こばやしあやな『公衆サウナの国フィンランド』
(学芸出版社)

- 装丁/佐野研二郎、曽我貴裕(Mr_Design)
ここ数年、日本でも人気が高まっているサウナ。そんな中、昨年末に発刊された『公衆サウナの国フィンランド』の装丁は、まさにサウナの壁のようで木の匂いが香ってきそうだ。
著者のサウナ文化研究家・こばやしあやなさんは「日本においてサウナ文化は男性主導のイメージがあります。そこで、女性でも手に取りやすく、フィンランドという清楚でタイムレスなデザインの国のイメージを大切にしてほしいと伝えました。それから、この本のテーマが"公衆サウナ"という、古い文化の"変化"と"維持"を大事にしたリバイバル現象を扱ったものなので、古さ(タイムレスさ)とその更新、というイメージが装丁に現れたらいいなと思いました」と話す。
デザインは、フィンランドのサウナの壁片を日本の皆さんにお届けする、というコンセプトで進められた。木の壁はこばやしさんが好きなサウナの壁を撮影してもらい、それを使用している。そして、本の帯は外気浴で巻くバスタオルをイメージし、帯に汗マークをつけて、学術書という真面目さを和らげるなど、細かい工夫がなされている。発売後、SNSを中心に紙や印刷によって実現された木目の美しさ、リアルさが話題になっている。
PACKAGE
『ItWokashi』
(大徳屋長久)

- PR/TETOTETO(井上豪希、井上桃子)
- AD+D/八木彩
- D/白木久美子、葛西瑠璃子
- C/山口明希子
- 印刷/佐藤成章
- 撮影/Kimi
苺&ピンクペッパー、葡萄とラム酒など、他には見ない味がラインナップされたカラフルな大福。これは三重県鈴鹿市で300年以上続く和菓子屋「大徳屋長久」が新たに立ち上げたブランド「ItWokashi」の商品だ。そのコンセプトは、「和菓子をアップデートする」。
ブランドロゴとパッケージデザインを担当した八木彩さんは、同社のブランディングを手がけるフードユニットTETOTETOから声をかけられ、商品開発に参加した。「和菓子の伝統を引き継ぎながらも、若い世代にもっと和菓子を楽しんでもらいたいという課題を受けて、和を感じながらモダンな印象に見えるブランドをつくりたいと思いました」 …