最終審査員、一次審査員、縦型部門審査員
今回で12回目を迎えた「Brain Online Video Award」(BOVA)は、映像制作業界の活性化と、これからを担う動画クリエイターの発掘と育成を目指し、ブレーンが2013年から実施するオンラインに特化した動画のコンテストです。プロ・アマ問わず、課題に対する自主制作を募集する「オンライン動画部門」とTikTok for Business とのコラボレーションで本年度新設した「縦型動画部門」の2部門で動画を募集し、審査します。
BOVA
川村真司(PARTY)
3回目を迎え、少しずつBOVAらしい受賞作が増えて来たように感じます。特に一般公募部門では、オンラインビデオとは何を基準に評価していくべきかを毎回審査員&スタッフ一同真剣に考えてきたのと同じように、制作者の方々もさまざまに試行錯誤しながら作られたのかもしれないなと思いました。全体において作品のクオリティはかなり上がってきていて、審査をしているのが非常に面白かったです!受賞作はどれもそれぞれによさがあり、力作が揃っていると思います。ただ、プロの映像作家の仕事かなと思える応募作も増えており、クオリティの高さは素晴らしい反面、オンラインビデオならではのDIY感や意表をついたぶっ飛んだ作品は少しなりを潜めてしまった感もありました。
木村健太郎(博報堂ケトル)
一般公募部門は昨年よりレベルが上がり、楽しい審査でした。しかし、送り手にとって都合のよいストーリーやオチの作品が多かったという印象もあります。送り手のオリエンがどうであれ、オンラインムービーには、クリックしたくなる動機、最後まで見てしまう面白さ、わざわざ見てよかったと思う収穫、人に紹介したくなる理由が必要。ですから、受け手にとってものすごく面白かったり、気持ちよかったり、気づきがあったり、心が動いたりするものを選びました。広告主部門は、グランプリと準グランプリが群を抜いて素晴らしかった。「ンダモシタン小林」は、シンプルなアイデアでファクトや予算や知名度の制約を超えることができるという、オンラインフィルムならではの可能性の証明。「メーク女子高生のヒミツ」は、メーク技術の限界に挑戦し、撮影技術の限界に挑戦するという作り手のチャレンジスピリットとプライドが、迫力となって伝わってくる。全体的に、この3年間で、優れたオンラインムービーの制作手法や審査基準が確立してきたのを感じます。だからこそ来年はそれをぶち壊すような新しいオンラインムービーの手口を期待したいと思います。
齋藤精一(ライゾマティクス)
昨年までの2回もそうでしたが、広告のあり方、オンラインビデオのあり方がドラマティックに変わっていることを、3回を迎えた今年も審査を通して痛感しました。手法やスキルのバラつきはありましたが、今年は非常にみなさんのクオリティが高く、広告の領域での映像の可能性やプロダクションのあり方がさらに変わってきていると思います。参加されたみなさんは個人のスキルがあるので、ぜひそれを広告業界でどんどん活用して広告業界全体を活性化していってもらいたいです。来年は技術ではなく、さらにアイデアや時代性、ストーリーの戦いになってくると思うので …