「オモロイ」だけが関西のクリエイティブじゃない。そこに秘められた可能性と、関西が広告界全体の中で果たし得る役割について、OCC副会長を務める中尾孝年さん(電通関西支社)と、幹事長を務める河西智彦さん(博報堂関西支社)が話します。
「オモロイ」フォーマットから脱却する
中尾▶僕は生まれ育ちは関西ですが、クリエイターとしては電通に入社後8年間ほど中部支社にいて、2005年に関西支社に異動しました。なので、生活者としては関西人の視点を、クリエイターとしては外部の視点を持っているんです。その2つの視点から見て、関西は笑わせることはもちろん、「誰もやってへんことやったろう」「びっくりさせたろう」というサービス精神がものすごくある地域だと思っています。それは外から見ても同じで、中部支社にいたころも、僕が関西弁で話し出すだけで「オモロイプレゼンをしてくれる」と期待されることがあった。そのくらい「関西=オモロイ」というブランディングができている地域だと思っています。
河西▶「笑い」に関しては本当に強くて、サッカーで言えばブラジルですよね。僕は東京で生まれ育って、博報堂に入社して11年間東京ですごし、10年に関西支社に来ました。東京では「オモロイこと言う人」と思われていても、関西に来ると東南アジアのリーグで活躍していた選手がブラジルに来たっていうくらい差があって、力の差を見せつけられ、なんなら周りからパスも回してもらえないような状態でした(笑)。それくらい「笑い」は絶対的な強みだと思っています。