IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

           

CREATIVE NEWS

今月の展覧会、広告賞、最新ニュース

新しい視座と感覚を見る

「反重力展」「ライゾマティクス inspired by Perfume」

技術とアイデア、クリエイティビティで「これまでに見たことがない」ものを作り出しているクリエイターやアーティストたちの展覧会が愛知と東京で行われている。

一つ目は、豊田市美術館で開催中の「反重力展」。人間の身体や生活は重力によって支えられているが、もし重力から解放されるとしたら、私たちの意識はどのように変わるだろうか――。本展は、通常の思考パターンや身体感覚に囚われない視座を模索。会場には重力から解放されるような軽やかな空間性や身体感覚を味わえる作品などが並ぶ。映像、巨大なインスタレーションから、コンセプチュアルなものまで、多様なジャンル、幅広い年代の作家たちの作品を堪能できる。

もう一つは、クリエイター集団ライゾマティクスの展覧会。今年のカンヌライオンズにおいてテクノポップユニットPerfumeのパフォーマンスを手がけ、全世界の注目を集めた。本展は、彼らがPerfumeのために行ってきた最先端メディアによる演出術にフォーカスした初めての企画。最新メディアテクノロジーを駆使しつつ、これまでにない斬新かつ洗練されたアイデアによる演出で世界中から注目を集めてきた彼らの舞台の裏側を垣間みることができるだろう。

私たちの身体や生活を「規定してきた枠」を彼らがどのように解き放ち、新しいものを生み出しているのか、鑑賞する際は頭を柔らかくして臨みたい。

01 「反重力展」レアンドロ・エルリッヒ《家》(2004年)サンキャトル(パリ)でのインスタレーション
02 同平川紀道《irreversible》(2011年)
03 同エルネスト・ネト《私たちのいる神殿のはじめの場所、小さな女神から、世界そして生命が芽吹く》(2006年)豊田市美術館蔵
04 「ライゾマティクス」「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル 2013」でのPerfumeパフォーマンス Photo: Dentsu, Getty Images
05 同Perfume WORLD TOUR 2nd Photo: Chiaki Nozu

反重力展
開催中、12月24日まで豊田市美術館10時~17時30分(入館は17時まで)10月12日、13日、14日は20時まで開館(入館は19時30分まで)、月曜休館(祭日の場合は開館)一般1000円、高校・大学生800円、中学生以下無料
お問い合わせ→0565-34-6610 豊田市美術館

ライゾマティクス inspired by Perfume
開催中、10月20日までNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]ギャラリーA 11時~18時(入館は閉館の30分前まで)月曜休館(月曜が祝日の場合翌日)一般・大学生500円、高校生以下無料
お問い合わせ→0120-144199(フリーダイヤル)NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]

東京の“デザインの秋”始まる

TDW、DESIGN TOUCHほか

今年も東京で“デザインの秋”が始まる。恒例の「TOKYO DESIGNERS WEEK 2013」(TDW)をはじめ、今年は東京ミッドタウンが例年以上にデザインに注力し、3つのイベントが開催される。

「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2013」のテーマは「デザインを、探しにいこう」。期間中、ミッドタウン・ガーデンには今年、建築家 藤村龍至さんのNY マンハッタンの都市計画をモチーフとした体験コンテンツ「ミッドパーク・ダンジョン」が登場する。

また日本を代表するデザイナーが同施設内の店舗のショッピングバッグをデザインする「デザインショッパーコレクション」を規模を広げ、新たな顔ぶれで今年も実施する。

グッドデザイン賞の受賞作品すべてを紹介する展覧会「グッドデザインエキシビション 2013」は今年、東京ミッドタウン・ホールをメイン会場に、東京ミッドタウン内各所で展示を行う。昨年度好評を得たグッドデザイン・ベスト100を手がけたデザイナー100人による公開プレゼンテーションを、今年も実施する。

2007年の開設以来、さまざまな企画展を通して、日本のデザインミュージアム実現に向けて機運を高めるべく務めてきた21_21 DESIGN SIGHTでは満を持して「日本のデザインミュージアム実現にむけて展」を開催する。本展では、これまで同館で開催したすべての展覧会と関連するトークやワークショップなどのできごとを再構築。それによって、日本のデザインミュージアムの実現に向けて何が立ち現れるのかを問う企画となる。

TDWは「DESIGN Fes」「ART Fes」「MUSIC Fes」という3つのコンテンツを柱に展開。初となる「ASIA AWARDS」、スペインや英国大使館のパビリオンの出展、MITメディアラボ特別フォーラムなど、グローバルな視点の企画が増えている。

01 Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2013メインビジュアル。デザインは平野篤史さん。
02 同「ミッドパーク•ダンジョン」イメージ。建築家 藤村龍至さんが制作を手がけた。
03 21_21 DESIGN SIGHT展示イメージ「デザインを駆動させる」〈素材/技術/革新〉の系=【MAKING】より
04 同展示イメージ「個の創造力の深化を示す」〈デザイン/アート/スピリット〉の系=【CREATING】より
05 グッドデザインエキシビション2013イメージビジュアル。デザインは松下計さん。
06 同会場イメージ図。
07 TOKYO DESIGNERS WEEK 2013 ロゴマーク。
08 同会場イメージ図。

Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2013 10月18日~11月4日東京ミッドタウン芝生広場ほか
※イベントにより開催時間、場所は異なる。入場料無料(一部有料)
お問い合わせ→03-3475-3100 東京ミッドタウン・コールセンター

日本のデザインミュージアム実現にむけて展
10月25日~2014年2月9日 21_21 DESIGN SIGHT 11時~20時(入場は19時30分まで)火曜日(12月24日は開館)、年末年始(12月27日~1月3日)休館 一般1000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
お問い合わせ→03-3475-2121 21_21 DESIGN SIGHT

グッドデザインエキシビション2013
10月30日~ 11月4日 東京ミッドタウン・ホール、デザインハブ、カンファレンスほか、東京ミッドタウン内各所 11時~20時(最終日17時まで)入場料:大人1000円(一部に入場料が不要の展示エリアあり)
お問い合わせ→03-6743-3777 日本デザイン振興会 グッドデザイン賞事務局

TOKYO DESIGNERS WEEK 2013
10月26日~11月4日 明治神宮外苑絵画館前 11時~21時 当日:大人2500円、ナイト割1500円、大学・専門生1500円、高校生1000円、中学生500円(前売りは大人2000円のみ)

日々を楽しく彩るカレンダー

D-BROS

「デザインは楽しい」をテーマに、ユニークなアイデアとグラフィックデザインを生かしたドラフトの自社プロダクトブランド「D-BROS」が、2014年のカレンダー5種とダイアリー3種の発売を開始した。

同ブランドのカレンダーは、毎年アイデアと印刷表現にこだわった新作を発表することで知られている。2014年版も、日々を楽しく過ごすことができるアイデアと、ビビッドなカラーをアクセントとしたデザインが揃った。

14年版はシールを使って福笑いのように遊ぶことができるカレンダーや、タイプフェイス(書体)の美しさや特性を生かしたカレンダーシリーズの新作などのほか、渡邉良重さんとCMプランナーとして活躍する髙崎卓馬さんがコラボレーションした絵本仕立てのカレンダーも登場。髙崎さんの繊細な言葉と、渡邉さんが描く少女とクマの優しくて意地悪な物語が、カレンダー上で展開される。「毎日使うものだから楽しいものでありたい、心を和ませてくれるインテリアのひとつとして使ってほしい」と同社ではコメントしている。

これらのカレンダーは、D-BROS の直営店(東京・品川店/大阪・梅田店)、全国のミュージアムショップ、インテリアショップほかにて発売中。カレンダースペシャルサイトで詳細を見ることができる。

01 「Seal Calendar」(デザイン:川上恵莉子)
02 「2014 Creator's Diary」(デザイン:岩永和也)
03 「Dear Bear」(デザイン:渡邉良重、詩:髙崎卓馬)
04 「2014 TYPEFACECALENDAR “Stone”」(デザイン:安田昂弘)
05 「Who is watching you?」(デザイン:福澤卓馬)
06 「ROLL12 '14」(デザイン:植原亮輔)

クリエイションは“フリー”なのか?

菊地敦己展
“Creation Is Free. Production Needs Fee.”

10月18日に始まる菊地敦己展は、同日オープンする特設Webサイトとギャラリーの2つの“会場”で体験できる展覧会となっている。

本展で菊地は「クリエイションはフリー(自由/無料)なのか? グラフィックデザインとは何か?」を問いかける。Webサイトでは、色やサイズなどをカスタマイズできるデザインオブジェクトのデータが、ダウンロード可能な状態で公開。一方、ギャラリーでは、実際にそれらのデータを使用したポスター(作品)とグッズ(商品)が展示され、すべて購入が可能となる。

01 習作「無題」(2013)
02 作品「同じ重さ」(2006)
03 展示風景「PLAY」青森県立美術館(2012)

菊地敦己展「Creation Is Free. Production Needs Fee.」
10月18日~ 11月21日 クリエイションギャラリーG8
11時~19時 日曜・祝日休館 入場無料
お問い合わせ→03-6835-2260 クリエイションギャラリーG8

話題の映画がイメージビジュアルを発表

『ジャッジ!』

2014年1月、澤本嘉光さんが脚本を手がけ、永井聡さんが監督を務める映画『ジャッジ!』が公開される。本作はテレビCMの世界一を決める国際広告祭が舞台。上司に押しつけられて審査員になってしまった落ちこぼれ広告マンが、自社のちくわCMをグランプリにするべく、海外のクセモノ揃いのクリエイターたちを相手に奔走する物語だ。

公開に先駆け、3種類のイメージビジュアルを発表。そのビジュアルの中から、映画館の支配人がそれぞれの劇場に設置するポスター、チラシを1種類"ジャッジ!(審査)"をして決める、という映画業界初のキャンペーンを実施している。

ビジュアルを制作したのは、アートディレクター 秋山具義さん、えぐちりかさん、佐野研二郎さん。それぞれ脚本を読み、タイトルやストーリーからイメージをふくらませた。各支配人が選んだポスター、チラシは、10月5日より同作上映劇場にて設置予定。また、10月31日までWebで3種類のビジュアルの人気投票も実施する。

01 制作/秋山具義
02 制作/えぐちりか
03 制作/佐野研二郎

『ジャッジ!』
監督:永井聡 脚本:澤本嘉光 出演:妻夫木聡、北川景子、リリー・フランキー、鈴木京香、豊川悦司 2014年1月11日(土)全国ロードショー

歴史的立て替え工事の過程を追う写真集

『東京中央郵便局 光の軌跡』

東京中央郵便局の歴史的立て替え工事の過程を写真で綴った写真集『東京中央郵便局 光の軌跡』が刊行された。

本作は2009年の解体直前から写真家鈴木弘之さんが撮影したもの。鈴木さんは2006年より写真家としての活動を開始し、「A MOMENT」をテーマに、東京駅復原工事、上海環球金融中心、ドバイメトロなど、世界の工事現場の撮影に挑んでいる。10月27日までニューヨークトランジットミュージアムにて鈴木さんの写真展を開催中だ。

本写真集は近隣の郵便局(一部除く)で10月25日まで、インターネットでは10月27日まで申し込みを受付けている。

01 写真集(144ページ)、32ページの解説書付き。価格は送料・消費税込みで7800円。

お問い合わせ→0120-92-2310 郵便局カタログ販売センター

屋外広告をより楽しく、美しく

第2回ジャパン・シックスシート・アワード

バス停、駅のホームや構内、サービスエリア、さらには街の中、ショッピングセンターなど、近年さまざまな場所で目にするようになった縦1750mm、横1185mmサイズの屋外広告。このフォーマットを「シックスシート」と呼ぶのをご存知だろうか。海外では、屋外広告のサイズを「シート」という単位で表わすため、一般にこのような名称で呼ばれている。

東京では現在、約154基が設置され、日本各地でも普及しつつある。景観とのマッチング、公共性の観点から自治体の期待も大きい。その広告表現技術の向上を目的に、昨年創設された「ジャパン・シックスシート・アワード」の、第2回目となる受賞作品が発表された。

NTTドコモ、日本コカ・コーラ、日本マクドナルド、ユニ・チャーム、リクルートから発表された課題に対し、235通の応募作品が集まった。厳正な審査の結果、ビーコン コミュニケーションズ阪本圭造さんの作品が金賞に選ばれた。さらに銀賞、銅賞の各賞ほか、横浜市長賞、協賛企業賞5作品が決定した。

審査委員長を務めた中島祥文さん、審査員の葛西薫さん、佐野研二郎さんらは、昨年より応募作品のレベルが上がったこと、街の景観や街中での視認性を意識して制作された作品が増えたことを評価。金賞受賞作品は、今年12月末から来年1月中旬まで、横浜市内のシックスシートフォーマットの広告スペースに掲出される予定。

受賞結果

金賞:阪本圭造(ビーコン コミュニケーションズ)共同制作者:塩島真吾、富永久美子(01)
銀賞:谷川瑛一(博報堂) 共同制作者:上原恵太(02)
銅賞:花田克斗志(03)

横浜市長賞

熊川俊介(東京デザインプレックス研究所)(04)

●協賛企業賞

日本コカ・コーラ賞

 

春名政英(NTTアド)共同制作者:影山鉄、藤井光永、富沢裕三(05)

NTTドコモ賞

高井学(グレイワールドワイド)(06)

日本マクドナルド賞

熊川俊介(東京デザインプレックス研究所)(07)

ユニ・チャーム賞

栗原翼(ビーコン コミュニケーションズ)共同制作者:吉野雄一朗、本間健司、成田伸也(08)

リクルート賞

西垣強司(VERY&Co.)(09)

無料で読める『本日の記事』をメールでお届けいたします。
必要なメルマガをチェックするだけの簡単登録です。

お得なセットプランへの申込みはこちら

CREATIVE NEWS の記事一覧

今月の展覧会、広告賞、最新ニュース(この記事です)
今月の展覧会、広告賞、最新ニュース

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
ブレーンTopへ戻る