プロ・アマ問わず、コピー1本で競い合う参加型コピーバトル。それがC-1グランプリ。今回の課題は「梅雨の好感度を上げるコピー」。多賀谷昌徳さんと2人のCMディレクターが1900本を超える応募作品の審査を行いました。
出題テーマ:6月の課題。「梅雨の好感度」を上げるコピー。
応募するみなさん全員が、簡単に課題に触れられる方法を最初に考えていました。
6月。「梅雨」であれば応募期間中ずっと接触できるから考えやすいかなあ、と。そしたらまさかの「から梅雨」。正直間違えたと思いました。そんな思惑の中「1926本」というたくさんの応募、ありがとうございます。
おかげで大変しんどく、悩みました。選考基準は「梅雨がなかったら起きなかった事、考えもしなかった想い、生まれなかった会話」がうまく発見できているかです。絞っていくうち、なるほど、梅雨そのものではなく、そこにいる人間のおかしみや愛らしさこそ「梅雨の好感度」を上げるんだなと再確認しました。ちなみに相合傘の切り口は予想通り多く、よっぽど上手じゃないと残りませんでした。40本に絞って3人で最終選考会を開いたのですが、グランプリはなかなか決まらず。その1本は、いっけん下ネタのようで、ともすれば僕らの好感度を下げかねない。しかし。実際に考えてみると実に興味深く。たとえば「ビニール傘だったら...透明?...いや...こだわってないよね...下着も使い捨て文化だから...」と想像したり納得したり。これは男女問わず、梅雨の1カ月間の憂鬱を、ひそかな楽しみへ転換してくれるコピーだと思います。(多賀谷昌徳)
グランプリ
「傘の趣味は、下着の趣味」と考えてみる。
稲村俊映(キヤノン)
いろんな色や模様の傘を見ながら、「この人はこういうのが好きなのかな?」と思ったのがきっかけです。
下着の好みも同じだったらすてきだな、と考えてしまいました。ごめんなさい。来年の梅雨が待ち遠しいです。ありがとうございました。
神谷「梅雨の期間中、傘を見るたびに楽しめる。これでしょ!」
三木「同感。梅雨を積極的に受け入れてますねえ」
多賀谷「よくある言い回しだけど、考え方の勝利ですね。変態のふりして絶妙。梅雨をそういう視点で過ごしてみたくなりました」