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ファン株主の育て方

99.5%が個人株主、カゴメに学ぶファン株主の育て方

カゴメ

わずか4年間で6500人だった株主を10万人にまで引き上げたことで知られるカゴメ。新たな株主を飛躍的なスピードで獲得した同社に、個人株主を増やして育てる方法について聞いた。

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工場、菜園見学会にメニュー紹介・試食会、各種セミナーなど、個人株主との接点づくりを強化。総株主数のうち、3分の1が主婦層というのもカゴメならではの大きな特徴だ。

株主10万人構想で本格IRを

個人株主づくりに熱心な企業として、多くの注目を集めるカゴメは、1998年から企業理念である「開かれた企業づくり」をモットーに、当時の伊藤正嗣社長の発案から個人株主を増やすことに取り組み始めた。当時約6500人にすぎなかった個人株主数を10万人にまで引き上げるという構想を、2000年に発表。以降、個人株主との接点づくりに積極的に取り組み、現在の個人株主数は約17万人、総株主のうち、実に99.5%が個人株主という躍進ぶりだ。

伊藤社長のあとを継いだ喜岡浩二社長が「株主10万人構想」を発表した2000年当時は、「そんなこと達成できるはずがない」と周囲から失笑を買っていた。そんな同社が本格的に個人投資家向けIR活動に力を入れ始めたのは2001年。カゴメの商品は主婦が主なターゲットであり、主婦に株主になってもらえる銘柄を目指そうと考えたことから、売買単位を1000株から100株とし、当時の株価で1単元が10万円程度で買えるように敷居を下げた。

こうして主婦をメインターゲットとしたことで、口コミ効果から、個人株主のすそ野を広げることに成功。実際に、一般の顧客と株主の月平均購入単価を調査したところ、一般顧客がカゴメ商品を月平均100円購入していたのに対し、株主は月1300円という大きな開きが見られた。

総株主数の推移とIR活動の流れ
「株主10万人構想」を発表した2000年(当時の株主数6500人)から、わずか5年で10万人を超える成長を見せたカゴメ。個人株主の獲得に向け、(1)決算発表の早期化、(2)株主総会の単独早期開催、(3)株主総会後のカゴメ商品を使ったメニュー紹介・試食会の開催、(4)単位株数の変更、(5)株主優待制度の導入、(6)株の持ち合い解消による株式の売り出しを中心に、資本施策の基盤を整えるとともに、株主との接点を増やすコミュニケーションの場をつくっていった。

資本施策と口コミで株主を獲得

カゴメが個人株主の獲得に向けて取り組んだことは、大きく分けて6つ。(1)決算発表の早期化、(2)株主総会の単独早期開催、(3)株主総会後のカゴメ商品を使ったメニュー紹介・試食会の開催、(4)単位株数の変更、(5)株主優待制度の導入、(6)株の持ち合い解消による株式の売り出しだ。

まず取り組んだのは、1998年から始めた(1)決算発表の早期化。早期決算で株主への情報開示のスピード化を図るとともに、各社株主総会の集中日を回避すべく②株主総会の単独早期開催によって“開かれた総会”化を実現し、情報開示の基盤を整えた。

同時に、「カゴメは、食品を扱う企業なのだから、株主にメニュー提案をする機会はないものか?」というアイデアから、まずは2000年の株主総会時に③株主総会後のカゴメ商品を使ったメニュー紹介・試食会を初開催した。

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