社会課題が山積する中、NGOやNPOの果たす役割に期待が集まっている。一方、こういった団体が非営利で活動を続けていくには、周囲の理解と協力を得る広報の力が欠かせない。今回は、民間企業でPRのスキルを磨いた後にNGO・NPOの広報活動に携わる担当者にお集まりいただき、非営利団体に求められる広報力について議論を交わした。
「社会をかえたい」と飛び込んだ
田澤▶ TABLE FOR TWO(以下TFT)は、直訳すると「二人の食卓」となる団体名の通り、食に起因する生活習慣病で悩む先進国の私たちと飢餓に苦しむ開発途上国の子どもたちが、時間と空間を越えて食事を分かち合うというコンセプトで活動をしています。先進国で対象となる定食や食品を購入すると、1食あたり20円が開発途上国の学校給食1食として寄付される仕組みです。2007年に日本からスタートし、この10月で発足から6年になります。これまでに約560団体が参加し、のべ2161万食の給食を届けてきました。
私はPR会社に5年間勤めた後、複数の会社で8年間広報を担当しており、広報歴13年という自称「広報バカ」です。TFTを知ったきっかけは、代表の小暮(真久氏)が09年に出版した著書を読んで感銘を受け、何とか私のスキルを生かせないかと課題を聞き出して提案を持ち込み、OKが出ずに内容を練り直して再提案......といったことを続けているうちに、少しずつ手伝わせてもらえるようになりました。今は週4日は会社員、週1日はTFTの非常勤スタッフとして携わっています。