「ロケットも、文房具から生まれた。」(2006年、岩崎俊一)他
コピーライターになって最初の仕事。それは広告をつくることではなく、消すことだった。「新聞広告の日」を祝う特別企画のために新聞の広告欄をすべて白く塗りつぶし、先輩たちがデザインを検証できるようにする実に新人らしい仕事。
宝島社/2000年
○C/前田知巳
日本民間放送連盟/1996年
○C/小松洋支、岡康道
Apple/1997年
1999年にコピーライターとして博報堂に入社した。幸運にも、一年目の仕事で朝日広告賞やTCCの新人賞も獲得できた。「ソハラってやつは、わりとできるらしい」ということだったかもしれない。これまたラッキーにも、当時の花形「宝島チーム」に加わることになった。振り返ってみると、当時の僕は企画というものを理解していなかった(そりゃそうだ)。キャッチフレーズもどきはそれなりに書けたかもしれない。ただ、企画を決定づける考え方、戦略、アイデアを言葉で表現することはまったくできていなかった。前田さんは、そういうことをさらりと1ページにまとめてくる。その言葉を読むと、ビジュアルが浮かんでくる。プレゼンのストーリーが浮かんでくる。世の中の人の反応が想像できる。本当の意味でのコピーライターのスタートは、この仕事に関われたことだったと思う。
オリンピック関連の広告はあまり好きではない。このキャンペーンとP&Gの'Thank You Mom'以外は。両者に共通しているのは …