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広告ビジネスを変える!? ベンチャー企業の挑戦

人類学の研究に用いられる参与観察のアプローチで、ビジネスパーソンの「新たなものの見方の獲得」を支援

比嘉夏子氏、水上優氏(メッシュワーク)

アカデミズムの知見を実務に人類学者が設立した会社

理系の領域に比べると、経営学などを除き、アカデミズムと実務の世界の融合が進んでいない日本の文系の学問領域。もっと、アカデミズムの知見をビジネスに活かすことができるのではないか。そんな気づきから、人類学者が共同で設立した合同会社がある。メッシュワークだ。

同社の創業は2022年。共同設立者のひとりである比嘉夏子氏は京都大学大学院で博士号を取得し、20年以上にわたり人類学の研究・教育に携わってきた。オセアニア島嶼社会の人びとの経済実践や日常的な相互行為を専門領域として継続的な調査を行う一方で、人類学の知見を活かして、多くの企業のリサーチや企画開発プロジェクトに参画。「人類学的アプローチと認識のプロセスを多様な現場に取り込むことで、よりきめ細かな他者理解の方法を模索し、多くの人々に拓かれた社会の実現を実践的に目指したい」と会社設立の狙いを述べる。

もうひとりの共同設立者である水上優氏は、京都大学大学院にて文化人類学を修めたのち、米国系IT企業にて勤務後、UXコンサルティング企業にてコンサルタント・特別研究員として、大手メーカー等のUX企画、リサーチに携わった経験を持つ。メッシュワークでは人類学的アプローチに関する研修・ワークショップの主催や、フィールドワークを伴うリサーチの実施や伴走を担当。人類学的視点を、企業活動をはじめ教育・芸術など様々な領域に取り入れるため、実践・研究・コラボレーションを進めている。「私は大学時代には社会学や経済学を学んでいたが、当時履修したクラスでは理論をどう実際の人間社会に当てはめるのかに主眼が置かれていた。それに対して人類学は現場のカオスな状況に巻き込まれながら、そこから理論的なものを立ち上げていく手法であり、より魅力的に感じた」と話す。

加えて、水上氏はこうした人類学のアプローチは、まだビジネスの世界で活用されてはいないという問題意識も抱いていたのだという。メッシュワークではこれまで、主には人類学で用いられる参与観察と呼ばれるアプローチによって、ビジネスパーソンに対して「新たなものの見方の獲得」ができる支援を行ってきた。「変化を求める組織や知的好奇心を持つ個人などを対象に、カスタマイズされたプログラムを設計したり、セミナー等を通じ、知識や経験を共有するなどして、現状をブレークスルーことができる思考法を提供する。従来のビジネス経験では身につかなかった『新たなものの見方の獲得』を中長期的に支援している」と比嘉氏は述べる。

「私たちは人類学で参与観察と呼ばれるアプローチによって調査対象を理解してきた...

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