全トラフィックの約4割を不正トラフィックが占める
広告においても、アドフラウドなど不正トラフィックによるマーケティング活動の悪影響は国内でも注目されているところだ。さらにボットや不正ユーザー等に起因する、不正トラフィックは広告だけでなくマーケティングさらには企業の経営活動にも甚大な被害をもたらすようになっている。
こうした不正トラフィック対策を支援するのがイスラエル発のテクノロジーカンパニー、CHEQだ。弊誌では8月に来日した、同社の共同創業者兼CEOのガイ・ティトゥノビッチ氏にインタビューを行った。
ティトゥノビッチ氏は「全Webトラフィックの約4割を不正トラフィックが占めていると言われている。この現状がGo-to-Market(以下GTM)戦略を妨害しコンバージョンの質を低下させデータ分析を歪めている。それらのリスクを排除し、GTMを成功に導くための支援を行うのが当社の役割」と話す。
CHEQの創業は、イスラエル。ティトゥノビッチ氏は「当社の創業メンバーはイスラエル参謀本部諜報局の出身者によって構成されている。広告詐欺だけでなく、Webサイト分析から、各国のプライバシー保護規制対策に準拠した、世界最高レベルの技術による不正タグの侵入や個人情報漏えいの抑制まで、企業・団体が商品やサービスを市場に届ける導線上におけるセキュリティ全般を牽引し、サイバーセキュリティにおける技術革新に貢献している。当社のソリューションは少数先鋭のチームから大企業のマーケティング部門まで、世界中で1万5000社以上のお客さまに利用されている」と説明する。
2016年にイスラエルのテルアビブで設立されたCHEQだが、現在は日本のほか、ニューヨーク、マイアミにオフィスがある。他の拠点より先んじて最初の海外拠点として2018年に日本法人が設立されている。
ティトゥノビッチ氏は2003年に18歳でイスラエルの防衛諜報機関で次世代の諜報指導者の育成を任務とする「ハマン・タルピオット」プログラムに入学後、軍隊で約10年を過ごす。その後、デジタルメディア会社であるAdZoukを設立したのち、不正トラフィック課題に取り組むために2016年共同でCHEQを立ち上げた。
CHEQの技術は2022年世界で最も有望なAI企業100(CBインサイツ)、2022世界で最も革新的な企業(FAST COMPANY)、2021年データと電子資産の保護に取り組む世界の先進企業とその製品(Fortress Cyber Security Award)など複数の団体や企業から表彰されている。
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