コロナ禍以降、組織力の強化や社内コミュニケーションに課題を抱える企業は多い。2023年3月期からは、上場企業に人的資本の情報開示が義務化されるなど、注目が高まっているBtoEの領域。組織エンゲージメント向上のための新サービス「Yappli UNITE（ヤプリユナイト）」をリリースし、新たにHRテック市場に進出したヤプリの山本崇博氏に、話を聞いた。
人的資本経営への着目を受け新サービスをリリース
「Yappli UNITE」の主な機能
「Yappli」同様UIの自由度は高く、ブランドのトーン&マナーとの統一も可能な一方で、代表的な機能はモジュール化し、初めの一歩が踏み出しやすくなっている。
ヤプリが提供する「Yappli（ヤプリ）」は、アプリ開発・運用・分析をノーコードで提供するアプリプラットフォームだ。これまでマーケティング支援や営業DXなどのソリューションを展開してきた同社が、2023年8月、組織エンゲージメント向上のためのサービス「Yappli UNITE」をリリースした。
働き方の多様化が進む中で、社内の情報浸透に苦戦する企業は増加していると山本氏。以前から社内向けアプリの開発に「Yappli」を活用している企業は複数社あったというが、昨今、人的資本経営が着目されていることも受け、新たなサービスの展開に至ったという。
組織エンゲージメントを向上させるために重要な観点として、同サービスでは「理念・ビジョンの浸透」「カルチャー醸成」「成長機会の提供」「業務効率化」の4つを掲げる。「いずれかひとつではなく、4つすべてを展開することが重要」だと山本氏。例えばチャットツールの導入は生産性向上に寄与するが、それ単体では理念の浸透までは難しい。また、情報発信の役割を持つ“広報誌のデジタル化”以上の機能があることも、「Yappli UNITE」の特徴だ。
「各種サーベイやタレントマネジメントは非常に重要だが、そこで終わらせるのではなく、エンゲージメントそのものを向上させるための“アクション”を推進することがさらに重要」と山本氏。組織が抱える課題のディスカッションから始まり、閲覧状況などアプリ内の行動データを基に、細かなPDCAを回し次のアクションにつなげるサポートも行う。
各企業毎に、どんなメッセージを浸透させ・どんなカルチャーをつくりたいのか、また、従業員視点でも誰もが使いたくなるコンテンツを入れたアプリが重要だ。
併せてヤプリ社内でも、同サービスを活用している。テーマは「部署を越えた交流」。締め会などでは、どうしても限られた人との交流に限定されてしまう。そんな時、個人に割り振られた二次元コードを他部署の人と交換するとクイズの答えがわかるようなゲーム性を取り入れたコミュニケーションを行ったり、リアルとデジタルの融合でコミュニケーションを促進している。「アプリには情報伝達だけではなく、人と人、人と組織、人と空間をつなげる作用がある」と山本氏は話す。
「元々IT業界では人材の流動性が高い傾向にありましたが、今、他の業種・業界でも同様です。エンゲージメントの高低は、離職率や生産性の向上に影響を与えます。計測の次の一手をアプリをうまく活用してエンゲージメントを高めていきたいと考えています」（山本氏）。
活用事例
Case 1
7000人の従業員と会社をつなぐ
【三菱UFJ信託銀行】
従業員が「いつでも・どこでも・かんたんに」情報を取得できるよう「Kakehashiアプリ」を開発。経営メッセージ、社内報（事業の取組みや従業員の活躍等）、キャリア開発、福利厚生等に関する情報を集約。10月には内定者・退職者にも利用を拡大している。ユーザーからは大変好評で、会社としても発信した情報が届いている実感があるという。
Case 2
ほぼ全員のBAが自主的に活用
【ORBIS】
オルビスでは、店頭で働くビューティーアドバイザー（BA）に向けた情報伝達に「Yappli UNITE」を活用している。商品情報や研修動画など、全ての情報をアプリに集約・定期的に更新することで、接客の質を上げるための自由な学びの機会を提供。ほぼ全員のBAがアプリを自主的にダウンロードし、日々活用している。
ヤプリ
取締役執行役員 COO
山本崇博氏
お問い合わせ
株式会社ヤプリ マーケティング本部
〒106-6241 東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー 41階
Mail：mktg@yappli.co.jp
Tel：03-6866-5730
URL：https：//yapp.li/yappli-unite/
