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右肩上がりで成長を続ける「TVer」「地上波+配信」で広告価値の更なる進化を

TVer、電通

リアルタイム配信も開始、3000万MUBを突破

民放5局が共同で開始した、動画配信サービス「TVer」。2015年のサービス開始以来、右肩上がりでユーザーが増え続け、MUBは3000万を超える。「TVer」の成長は、ひとつのコンテンツであっても、その接触スタイルはメディアもデバイスも多様化が進んでいることの象徴とも言える。こうした複雑化するメディア環境で、「TVer」のような新しいメディアを広告主はどのように統合的なプランニングに組み込んでいけばよいのだろうか。

(左から)
TVer 執行役員 広告事業本部長 古田和俊氏
電通 ラジオテレビ局長 石渡 弥氏

―TVerは、2022年4月に民放5局が揃ってプライム帯などの時間帯でリアルタイム配信をスタート。これを基点にさらにユーザー獲得のスピードが増し、2023年8月時点で3000万MUBを突破しました。

古田:2015年のサービス開始以来、右肩上がりの成長を続けてきました。開始当初は、ドラマの見逃し配信を利用する女性、若年層のユーザーが多いというイメージを持たれていましたが、プライム帯でのリアルタイム配信の開始、さらにスポーツ、アニメをはじめとする配信コンテンツの広がりにより、利用者が拡大。利用者の居住エリア、性年齢が偏りなく広がっています。

石渡:広告主さんとの会話の中でも、「TVer」に対する注目の高まりを感じています。放送局由来の動画コンテンツが配信される「TVer」は安心・安全が担保されていることから、広告主の関心は高かったものの、サービス開始当初は、在庫数の懸念もありました。それが3000万MUBまで成長したことで地上波テレビやYouTubeなどの他の動画配信プラットフォームと並べて、さらに組み合わせた立体的な提案も可能になっています。

―お二人の仕事上のお付き合いは長いそうですね。

石渡:私は1998年に電通に入社。以来、テレビメディアにかかわる期間が、最も長いです。テレビスポットのセールスをしていた際には、フジテレビさんを担当したことがあり、その時にフジテレビ側の営業の窓口だったのが、入社したばかりの古田さんでした。古くから付き合いのある古田さんですが、放送から通信の「TVer」の広告へ、と扱う商品が変わっていく様に放送局のデジタル化の進展を感じます。

その後、「TVer」のサービス開始に際して、電通のラジオテレビ局内に初めて設置された動画ビジネス部の初代部長に就任。その頃から、地上波のテレビだけでなく、配信も含めた放送局由来の動画コンテンツの広告ビジネスにかかわってきました。

古田:私は2020年7月にフジテレビから出向する形でTVerにきました。こうしてまた石渡さんと一緒に仕事ができるのは、嬉しい限りです。

―サービス開始以来、ユーザー数は右肩上がりに伸び続けています。成長の理由をどう分析しますか。

古田:前述のように、サービス開始当初は「ドラマの見逃し配信」というイメージが強かったと思います。しかし、ドラマについても以前は1話あたり1週間の見逃し配信が基本だったのが、現在は1~3話+アルファの常設配信を行うようになり、コンテンツに触れていただく機会が増えています。各局の新ドラマ開始時期は重なりますが、「TVer」があることで、そこでの視聴をきっかけに地上波でも視聴いただくケースも増えています。

石渡:ドラマによっては、「TVer」での視聴が1割を超えるコンテンツも出てきていますよね。ひとつのドラマコンテンツでも、地上波のみで視聴、「TVer」のみで視聴、さらに両方を併用する視聴者と3パターンのスタイルが出てきています。視聴者の価値観が可視化されるコンテンツをベースに、「TVer」も活用したトータルリーチ向上の提案も進めていますが、広告主の期待が強いと感じる領域です。

古田:昨今では、コネクテッドTV(CTV)経由の視聴も全体の3割と拡大し、さらに視聴シーンが広がっています。また「TVer」は、地上波でリーチしづらい人がユーザーという印象を持たれているかもしれませんが、普段から地上波テレビに接している人たちが、新たに「TVer」を利用し始めてくださっています。こうした多様なユーザー像を踏まえた、トータルリーチのプランニングに、新たな可能性も感じます。

―電通「MIERO」のように、広告効果をはじめとする各種データを一元的に把握できるソリューションは今、広告主からのニーズが強い領域だと思います。

石渡:「MIERO」のラインナップのひとつに「MIERO Digi×TV」がありますが、テレビとデジタルの投資配分最適化は広告主の方々の期待が大きい領域です。またテレビについても、地上波と配信をトータルでプランニングしてほしいという要望が多く、放送局の協力を得て、地上波のコンテンツと連動した配信オリジナルの企画も展開するなど、枠だけでなくコンテンツも含めた立体的な提案が始まっています。

―これからの「TVer」サービスの展望、さらにユーザーを惹きつけることによって生まれる広告主にとっての価値についてお考えをお聞かせください。

古田:当初のドラマに加え、近年はバラエティの再生数が飛躍的に伸びたり、ローカル放送局のコンテンツが人気になったりと、プラットフォームとしての充実度を拡充してきました。さらに次に注力しているのがLIVE配信、特にスポーツジャンルです。実際、今期も世界卓球、ラグビーW杯、バスケットボールW杯、箱根駅伝予選会、ワールドカップバレー、世界体操、世界陸上など、今年7月~10月初旬までの期間だけで、100本以上のスポーツイベントのライブ配信を行っています。通常、LIVE配信はスマホ、PCに限定していますが、ワールドカップバレーでは初めてコネクテッドTVへの配信を行うなど、積極的な取り組みを進めています。

石渡:サッカーW杯やWBCなどでは「地上波+配信」のセールスが浸透したことで、スポーツのLIVE配信はトータルリーチの視点で、特に注目しているコンテンツです。例えば、8月に配信したバスケットボールW杯について調査したところ、地上波と「TVer」の重複視聴は0.4%で、「TVer」を組み合わせたプランニングに可能性を感じています。

古田:2024年は年明けから高校サッカー、箱根駅伝がありその他にも様々な大会が予定されています。「TVer」はLIVE配信に注力していきますが、その流れのなかで、スポーツコンテンツの配信には特に積極的に取り組んでいきます。熱狂を生むスポーツコンテンツを通じて、広告メディアとしての「TVer」に新しい価値を創出していきたいです。

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