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マーケティング活動 KPIの設計と運用

マス媒体×デジタル媒体における事業起点のリソース配分の考え方

南坊泰司氏(manage4・NORTH AND SOUTH)

社会のデジタル化はコロナ禍で加速し、コネクテッドテレビや動画配信プラットフォームサービスの普及も進んでいる昨今。広告手法も多様になる中で、マスとデジタルの予算の最適化に頭を悩ませる企業は多い。事業成長に貢献するためのテレビ×デジタル連携の広告活動について、南坊泰司氏が解説する。

ボトム→トップ→ミドルの順で予算配分を検討する

マーケティングコミュニケーションの領域でよく生まれる論点が「マス媒体への広告予算をどう配分するか」にあります。この論点はいくつかの課題を含んでいます。

第1に、精緻に計測可能なデジタル媒体(特に獲得広告)に比べ、マス媒体は直接的貢献が分かりにくく、計測する手段も乏しいという現実です。

第2に、特にテレビや新聞を活用する場合、「計測しにくいもの」が大きな予算を占めるため投資検討が難しいという点。

第3に、その上でマスとデジタルの予算配分をどうするか、という点。

これらの課題を踏まえた上で私がお伝えするのは「事業成果起点で、テレビ・テレビ以外の媒体・デジタルの予算配分をどう検討するか」についてのひとつの考え方です。広告とは事業成長のために投入するものであり、広告予算だけで判断するべきではない、という見地です。

ポイントはマーケティングファネルにおけるボトム→トップ→ミドルの順で検討すること【図表1】。第1のアクションとして事業目標とボトムファネル(主に獲得型のデジタル広告)の現在の数値との整合を取ります。現在、デジタル広告の運用は高度化が進んでいます。よほどのことがない限りデジタル広告の数値が劇的に改善することは考えにくい。従って、この「明確に計算可能で」「予測がしやすい」デジタル広告と事業目標を照合し、デジタル広告に確実に必要な数値を決定。この時、一定の改善がなされること、現状から効率を損なわない範囲で策定することの2点を踏まえます。

第2のアクションとして、第1のアクションで立てたデジタル広告における獲得予想と、課せられた事業目標の数値GAPを把握します。このGAPが大きければ獲得型ではないファネル上位の施策をやる必…

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