アルゴリズムの変更や新たなメディアの登場により環境の変化も大きい領域ではあるが、SNSマーケティングは今や欠かすことができない手法だ。インプレッション数やフォロワー数が明確になる中、継続的に、かつビジネスに寄与するためには何を指標とすべきなのか。ビズメイツの西川貴規氏が解説する。
SNS運用で大切なのは潜在層の対象を絞ること
なぜ企業としてSNSアカウントを運用するのか。私の答えは「ユーザーを獲得するため」です。ユーザー獲得のための手段は複数ありますが、その中でSNSの役割としては「サービスを知ってもらうこと」と「サービスに対して好意をもってもらうこと」にあります。
当社はオンライン英会話サービスBizmatesを提供しています。法人向けサービスもありますが、特にBtoC領域においてはWeb上で完結することもあり、マーケティングもほぼWeb上で展開しています。
私たちはユーザーを3つのファネルに分け、それぞれのアプローチ方法とKPIを置いて運用しています【図表1】。
この中で、SNSは潜在層と比較検討層に向けてアプローチする媒体と位置づけています。「SNSは認知であって獲得は考慮しない」という方向性で運用をされている場合も多いように感じますが、当社の場合ではSNSであってもいかに獲得につなげるかをKPIとして運用しています。
私たちがSNS運用で大事にしていることは、コミュニケーション対象者の潜在層をあえて絞ることです。潜在層=当社を知らないユーザー全員、ではないからです。サービスの特性上、「仕事で英語を使いたいと思っている人」が一番広い範囲のターゲットとなります。趣味で英語を学びたいと思っている人などは利用の可能性が低いため、潜在層として考えていません。このとき、大きく分けて2種類のユーザーを潜在層としています。「社会人かつ英語学習をしており仕事で英語を使いたいと思っている層」と「実際に今仕事で英語を使っている層」です。この層がどんなことが知りたくて、面白いと思うかというのが重要であり、それをコンテンツにするように意識しています。