大きく「認知獲得・好意度上昇」「収益への貢献」「ロイヤルティの獲得」の3つを目的とするコンテンツマーケティングの手法。得意とするのはフルファネルでのアプローチだ。オウンドメディアをこれら複数の目標達成に向けて活用するため、いかにKPIを定めるべきか。アマナの渡邊隆尚氏が解説する。
企業のマーケティング施策としてビジネスに寄与することは大前提
オウンドメディアにおけるKPI設計で重要なのは、まず目標を設定した上で、バックキャストでKPIを設 計していくことです。また、KPIを「オーディエンス獲得(Brand)」「信頼獲得(Trust)」「顧客獲得(Demand)」の3つの要素に分解して考えることで、フルファネルでターゲットアプローチ状況を捕捉することができるようになります。
まず、企業のマーケティング施策として、ビジネスゴールに寄与することは大前提となるため、ビジネスゴールを明確にします。その上で、マーケティング活動により達成すべき目標を設定します。【図表1】では売上創出を目標としていますが、担う役割によっては市場認知の拡大やブランド・エクイティの構築など、多様な目標が設定されるはず。また、必ず定量での目標設定を行い、評価可能な状態をつくることも重要です。
マーケティング目標の設定が完了したら、Brand、Trust、 DemandそれぞれのKPIを設定していきます。例えば「売上創出」をマーケティング目標とした場合、各要素のKPI設定において以下を達成していく必要があります。
Brand:幅広いリーチを獲得し、アノニマスのオーディエンスを含むメディア閲覧者の母集団を形成する。→ マーケティング、ひいては企業の取り組みを認知してもらうことで、潜在顧客化を期待することができる。
Trust:また訪れたい、より深く知りたいというマインドを醸成させ、ブランドのファンになってもらう。→ 企業発信の情報に信頼を持ち、能動的なアクションの創出が期待できるようになる。
Demand:この企業のサービス・プロダクトを利用したいという意向を醸成。また既存ユーザーの場合は「利用し続けたい」と思わせる。→ 顧客化を目指すとともにLTVを最大化させ、長きにわたって企業に利益をもたらす顧客として成長が期待できる。
私たちが提唱するフレームワークである「Brand to Demandフレームワーク」における代表的な計測指標が【図表1】です。網羅的に提示していますが、これら以外も含め、目標に対して最適なものを都度設定する必要があります。