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著者インタビュー

いまや観光は産業としての枠を超えている

須藤 廣氏

観光が世界をつくる メディア・身体・リアリティの観光社会学
●編著/須藤 廣、遠藤英樹、山口 誠、松本健太郎、神田孝治、高岡文章
●発行所/明石書店
●価格/2860円(税込)

「観光」とは個人的な趣味にすぎず、消費的なレジャーの一種と言われることがある。一方で、コロナ禍で一時は落ち込んだ観光業界であったが、コロナ禍後の国際社会では成長産業と期待され、観光立国の国家プロジェクトとして語られたり、地域づくりの良策と目されたりするようになった。観光は経済を回し、文化を生み出し、そして人を豊かにする。「たかが観光、されど観光」と日本の観光社会学をリードしてきた、代表編著者の須藤廣氏は語る。

本書『観光が世界をつくる―メディア・身体・リアリティの観光社会学』は、観光がつくり上げる独特の「世界=リアリティ」についてまとめられた論考集。映画・小説・まんが・ゲームなどのメディア表現とそれに関係する観光事例を取り上げ、観光とは何か、そして観光を研究するとは何か、についてそれぞれの観点から問う。「たかが観光、されど観光」の言葉と共に、15の章から現代における観光の事例を考察し、観光社会学の新たな地平をまなざすことを試みた。

第1章で須藤氏は、観光は言語や文化などが完全には「伝わらない」人間たちが、お互いに通じ合う形にイメージを組み替える「異化(自他の異質性に気付くこと)」の「ゲーム」を...

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