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著者インタビュー

経済学は社会課題に対してどうアプローチできるか?

内田浩史氏

SDGsの時代における
価値と経済的価値
VS Booklet 1

●著者/内田浩史、堂目卓生
●発行所/神戸大学出版会
●価格/1100円(税込)

自社商品・サービスの宣伝やマーケティングにおいて、機能価値の訴求だけ考えていればよい時代は終わりつつある。情緒的価値や、さらには、パーパスのようなその企業・ブランドの社会に対する姿勢までが、消費者が商品を選ぶ際の判断材料のひとつになりつつある。まさに「価値」の概念が広がっていると言えそうだ。

さらに、企業は直接の仕入先や従業員といった身近な範囲を超え、サプライチェーンを辿り、さまざまなステークホルダーに影響を与える環境問題や社会問題のコストを把握する必要にも迫られている。

こうした動きは、経済学の枠組みを使えば、市場で需要と供給により決まる価格、つまり金銭的価値だけを単純に考えていればよかった状況から、その商品・サービスの提供が生み出す正負のさまざまな外部性を取り込む状況への変化として捉えることができる。他方で、こうした動きの中には現代の経済学では顧みられなくなった価値の問題も含まれている。

本書『SDGsの時代における価値と経済的価値』は神戸大学バリュースクール(V.School)が定期的に開催しているV.Schoolサロンに著者の内田浩史氏と堂目卓生氏が登壇した2回分をまとめたもの。同サロンでは、学内外の講師による話題提供と議論を受けて、多様な価値や価値観について参加者…

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