アメリカでは新年を迎えるとNew Year’s Resolutionという「アメリカ版・新年の抱負」のようなものが世間を賑わす。その結果、何か新しいことを始めさせようとする広告が、年初に溢れることになる。
プラネット・フィットネス
「入会金1ドル、月々10ドル」で勧誘
コロナ禍の影響で大打撃を受けたフィットネス(スポーツジム)業界だが、昨年からジムにも従来の客足が戻りつつある。専門家は今年ジム契約者が増えると予測しており、各社は年明け早々から積極的なプロモーションを展開中だ。
手頃な会費で人気の高いプラネット・フィットネスは、北米に2,000箇所を超えるジムを展開。元日開始のCMは、お得な入会金&会費を目玉に新規顧客を勧誘している。
その30秒CMでは「年末の宴会疲れによるエネルギー低下症候群は“Low-E(エネルギー)”というもの。プラネット・ジムでLow-Eを吹き飛ばし元気を取り戻しましょう。清潔で広いスペース、豊富な器具類、そして1月12日までなら入会金1ドル、月々10ドルで解約いつでも可」と訴える。
RunRepeat社の調査によると、全米ジムの平均月額会費は$37.71であり、10ドル/月は破格の値段。契約期間の縛りもなく、いつでも解約可能とあって、新規加入者獲得が期待されている。
(1)プラネット・フィットネス
Equinox「1月1日新規入会お断り」 ネット騒然のキャンペーンを実施
高級志向のジム「Equinox」は、プラネットジムとは対照的に「元日は新規会員お断りキャンペーン」を行い、大きな話題となった。昔からジムは1月が最も加入者が増える。新規会員と現会員が1月に押し寄せ混雑するため、不満を漏らす人も少なくない。
そこで同社は「私たちは1月1日、新規加入を受けつけません。問題はあなたではなく、1月です。あなたの人生は1月から始まるわけではなく、その生き方はEquinox会員にふさわしくないからです。明日Equinoxに加入していただけるのをお待ちしています」とHPとツイッターで宣言した。この強気の発言に「なんと高飛車な」「安っぽい策略」「大胆かつ賢明な戦略」「A+のマーケティング」など賛否両論が飛び交い、騒然となった。
従来からハイエンドな客層を主要顧客にする同社は、新年の勢いで入会してくる客を少しでも排除し、長年の会員に配慮したつもりだったのだが、思わぬ波紋を呼んだ。本キャンペーンが果たして加入者増につながったのかが注目されている。