広告マーケティングの専門メディア

           

「共感」ブランド戦略

新興ブランド経営者に聞く「Win-Win」の関係性を目指すコミュニケーション

新興ブランドにとって、認知と共感を形成していくためにどのようなコミュニケーションが必要なのだろうか。2019年、D2Cブランド『COROLIS』を立ち上げたストークメディエーション代表取締役CEOの梅野祐樹氏に話を聞いた。

ヘアカラーのための第3の選択肢を提供できないか

2018年に創業したストークメディエーションは、「製造業の新たな未来を創造する。」をビジョンに掲げ、2019年9月、ヘアカラーブランド『COROLIS(カラリス)』をリリースした。

研究開発と生産、品質管理にはOEMメーカーである資生ケミカルが携わり、ホームケアにおいてもサロンの品質を実現する。

ライフスタイルマガジン『YOUR COLOR IS』は、商品と共に発送される。

『COROLIS』は、日本で初めてのパーソナライズヘアカラーサービス。Web上で髪の状態をカウンセリングし、1万通り以上の組み合わせでカラー剤とトリートメントを調合。定期購入または単品での購入が可能となっており、3周年を迎えた2022年9月時点で、会員数は6万名を超えた。

代表取締役CEOの梅野祐樹氏は、ヘアカラーに着目した背景を次のように話す。

「これまで髪を染めるには、市販薬を使用するか、美容室に行くかの2択しかありませんでした。ライフスタイルが多様化しているなか、第3の選択肢があってもよいのではないかと考えた。多忙な女性たちの美しくありたいと願う気持ちに応えるために開発しました」。

生活を豊かにするのはインサイトに深く刺さるブランド

創業時、「2045年までにライフスタイルブランドを100個つくる」ことを目標に掲げた梅野氏。

「消費の多様性が増している今、将来1兆円の売上を目指すとして、1000億円のブランドを10個ではなく、100億円のブランドを100個つくるアプローチが必要になると考えての目標です。ブランドは、ユーザーから“わたしにとっての”という思いを持ってもらえないと長くは続かない。それはインサイトに深く刺さり生活を豊かにできる提案のあるブランドだと思うので、結果的にとがったものになっていくのではないかと考えています」とを語る。

こうした姿勢はコミュニケーション戦略にも反映されている。同社が大切にしているのは、ユーザーとの直接のコミュニケーション。ヘアカラーリングの知識を持った専属スタッフ7名が、公式LINEやInstagramのDMにて、無料で相談を受け付ける。そこでは、単なる問い合わせ窓口とは異なる、サロンで美容師と会話するようなやり取りが生まれているのだという。

また美容室を借りて体験会も実施する。「実際にどう染めているのか...

あと62%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

「共感」ブランド戦略 の記事一覧

人の心に働きかける「デザイン思考」のアプローチ
「自己」と「他者」の評価を考える SNS時代のブランドコミュニケーション
組織一人ひとりの「共感力」は高められるか?
没入感と推しの関与がカギ?中高生500人に聞く「広告と共感」
国民的知名度を得たモデルナが今、テレビCMを展開する理由
カゴメ×有隣堂 事業成長に寄与するオウンドメディア運営
新興ブランド経営者に聞く「Win-Win」の関係性を目指すコミュニケーション(この記事です)
ACジャパンのCM表現に見る 共感を呼ぶメッセージ型広告
愛車に抱く想いが拡散 ファンを巻き込む「トヨタグラム」の挑戦
あらゆる接点でシェアハピネスを描く「ポッキー」のブランド戦略
緻密な設計で共感を醸成する、Z世代が主役のAMEX新CM
支えたい相手を徹底的に考えた 東京ガス 「子育てのプレイボール」
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する