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私の広告観

クラシック音楽業界にITの力でイノベーションを ピアニスト・反田恭平の広告観

反田恭平さん

ピアニストとして演奏で人々に感動を与えるだけでなく、より自由で持続的な音楽を日本のクラシック界にもたらすため、さまざまな新規事業にも精力的に挑戦し続けている反田恭平氏。同氏が感じているクラシック音楽業界の課題、それらの課題を解決するための広告的発想を生かしたユニークな構想について話を聞いた。

反田恭平(そりた・きょうへい)さん
1994年9月1日生まれ。ピアニスト、指揮者。2012年、高校在学中に日本音楽コンクールで第1位に入賞。2014年、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に首席で入学。2015年、イタリアの「チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール」古典派部門で優勝を果たす。2016年1月のデビューリサイタルでは、2000席のサントリーホールでチケットを完売。2017年より、ポーランドのフレデリック・ショパン国立音楽大学(旧ワルシャワ音楽院)に在籍。2021年10月、第18回ショパン国際ピアノコンクールで第2位に輝く。2023年以降はミュンヘン・カナダ他、新しい地域でのデビューが控えている。オンラインサロン「Solistiade」を主宰し、奈良を拠点にジャパン・ナショナル・オーケストラを運営するなど、多彩な活動を展開している。

撮影協力:スタインウェイ&サンズ東京

自由な音楽活動を求めて実業家として会社も経営

世界的に脚光を浴びている注目のピアニスト、反田恭平氏。2021年10月のショパン国際ピアノコンクールで2位に入賞、この順位は同コンクールにおける日本人歴代最高位タイであり、51年ぶりの2位受賞となる。

小学生時代はサッカーの練習に明け暮れていたという反田氏。11歳の時に試合で手首を骨折したことを契機に、サッカーを継続することを断念。その後、通い始めた音楽教室でクラシック音楽の魅力に目覚め、音楽の才能をみるみる開花させていく。

中学生で出場した国内外のさまざまな音楽コンクールで最高位に輝くと、高校では音楽科へ入学し、本格的にピアニストへの道を歩み始めた。高校3年生の時に出場した日本音楽コンクールでは、男性では史上最年少の18歳で優勝。翌年にはロシアのモスクワ音楽院に首席で入学した。その後ポーランドに拠点を置き、デビュー以降世界中を飛び回り、精力的にコンサートを開催している。

今年7月には自身初となる自叙伝的エッセイ『終止符のない人生』(幻冬舎)を刊行。幼少期からショパン国際ピアノコンクール日本人51年ぶりの2位の快挙までの軌跡、コンクールの裏側、反田氏が描く音楽の未来についてなどがまとめられた1冊となっている。

そんな反田氏の活躍はピアノの演奏にとどまらない。日本で音楽を続けていくうえで既定のレールに乗るのではなく、もっと自由に音楽活動がしたいとの思いから、経営にも挑戦。

2018年には「NEXUS」を、そして2021年には日本初となる株式会社という形態をとった管弦楽団「ジャパン・ナショナル・オーケストラ」を創設。また、若手音楽家が集う音楽サロン「Solistiade」も運営している。これらの組織での活動により、音楽家自らが活躍の場を創出できる環境を生み出し、才能があってもスポットライトを浴びることなく埋もれてしまう人もいるという現実に対し、志ある人が音楽への情熱を絶やすことがないよう、いかんなく才能を発揮できる環境をつくりたいと思いを話す。

ピアニストとして、そして経営者として...

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