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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

あいすまんじゅう60周年 和菓子の製法を生かして和風アイスブランドを確立

丸永製菓 あいすまんじゅう

(左)1962 ※画像は1984年時のパッケージ (右)2022

福岡県久留米市に拠点を置く丸永製菓の「あいすまんじゅう」の発売は1962年。今年、2022年で60周年を迎える。

丸永製菓は1933年に永渕製菓所として創業後、和菓子の製造販売を手がけていた。和菓子の可能性を広げるべく商品ラインアップの拡充を図り商品開発に力を入れていく中、1950年代後半から1960年代初頭に「三種の神器」と呼ばれた家電製品のうち冷蔵庫が一般家庭に徐々に普及するように。それまでは主に店先で購入してその場で食べられていたアイスクリームであったが、自宅で食べる需要が増えることを予想し、同社はアイスクリームの製造に事業の舵を切り、「あいすまんじゅう」の開発に踏み出したという。

小豆あんをバニラアイスで包んだアイスバーである「あいすまんじゅう」は、当時の市場に多く見られたアイスキャンディタイプと比べ、高い乳脂肪率のクリームタイプでリッチな味わいを目指して開発された。そこには和菓子づくりのノウハウが存分に生かされていたと、取締役マーケティング兼販売促進部長を務める永渕寛司氏は話す。

「どこでもアイスクリームが買えるようになりつつあった時代の中、和菓子づくりで蓄積してきた知見を生かし、高品質かつ和風テイストのリッチなアイスクリームを目指して商品開発をスタート。北海道産の小豆と練乳をたっぷり使用してミルクのコクと風味を引き立たせることで、他の商品との差別化を図ることができました」。

発売当初は拠点のある九州のみで販売されていたが、1994年にはコンビニエンスストアでの販売をきっかけに全国展開を開始。九州名物「あいすまんじゅう」は全国の人々にも受け入れられ、多くの支持を得た。60周年となる今年は、限定商品もリリースし、「あいすまんじゅう」の魅力をさらに広めていく。

視点01 商品・ラインアップ
定番の味を守りつつ、フレーバー展開でイメージを刷新し続ける

1962年の発売以降しばらくの間、定番の「あいすまんじゅう」一筋でブランドイメージを確立した丸永製菓。ブレない商品づくりで、「いつ食べても変わらない味がうれしい」とコアなファンからの支持を受けてきたという。

そんな「あいすまんじゅう」は2004年の「あいすまんじゅう 抹茶あずき」を皮切りに、九州の特産物である八女抹茶やあまおう苺など和風テイストに合う素材を使用したフレーバー展開を開始。ブランド55周年である2017年には「PREMIUMあいすまんじゅう」シリーズを発売。厳選した北海道産小豆や八女玉露を使用し高級感を打ち出した。

さらに2020年からは季節限定シリーズ「あいすまんじゅう Dessert」を...

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