消費者ではなく、生活者という言葉が使われる場面が増えました。真に生活者起点のマーケティングを実践するうえでは、一人ひとりの顧客に「人」として向き合うことが求められています。データも駆使した、「人」中心のマーケティングの実践論を全12回の連載で解説していきます。
多様化する広告の選択肢から 正しいものを選ぶための方法
生活者のメディア行動はここ十数年で大きく変化しており、特にデジタルメディアの多様化は、広告主の活動を大きく変えました。生活者が接触するメディアが増えるとは、広告主の選択肢も多様になることを意味します。
この状況下で広告主が抱える課題のひとつに「メディアプランを選択するための根拠がない」ことがあります。この課題を解決するために、多くの広告宣伝部や調査部は広告効果検証を実施しています。
効果検証にも多くの方法論が存在しますが、よく利用されている手法として「広告認知者に対する態度変容調査」があります。キャンペーン後の調査によって、テレビCMやWeb広告などの認知者と非認知者で購入意向などの指標を比較し、各メディアの広告効果の強さを評価して優先順位を付けることができます。
一方で、この手法には課題もあります。まず前提として、ブランドと接する...
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