消費者ではなく、生活者という言葉が使われる場面が増えました。真に生活者起点のマーケティングを実践するうえでは、一人ひとりの顧客に「人」として向き合うことが求められています。データも駆使した、「人」中心のマーケティングの実践論を全12回の連載で解説していきます。
消費者ではなく生活者 捉え直すことで課題を再定義する
「お客さまの声に耳を傾けた商品づくりを心掛けているが、それだと新鮮味がなく、ありきたりのものになりがちで⋯」という課題を持たれているマーケターの方は多いと思います。市場が成熟化して類似の商品が溢れるいま、「お客さまの声を聞く」だけでは「新たな価値づくり」が難しくなっているのです。
それでは、いま求められる「価値創出のアプローチ」とは、どのようなものなのでしょうか。今回はそのアプローチを考えていきたいと思います。
まず、「人」を自社商品が属するカテゴリーの“消費者”としてではなく、広く“生活者”として捉えることが起点になります。日々忙しい暮らしの中で、生活者が自社カテゴリーやブランドについて考えたり触れたりする時間は、ほんの一瞬です。インタビューでは、その一瞬を「お客さまの声」として...
あと60%