消費者ではなく、生活者という言葉が使われる場面が増えました。真に生活者起点のマーケティングを実践するうえでは、一人ひとりの顧客に「人」として向き合うことが求められています。データも駆使した、「人」中心のマーケティングの実践論を全12回の連載で解説していきます。
競争環境が厳しいときは企業都合の戦略に陥りがち
マーケティングプランニングの際に、「人」中心(=お客さま主語)ではなく、自社視点のみで検討を進めてしまうことが往々にして起こります。
この場合の「自社視点」には、様々な要素が含まれます。「自社製品と競合する他社が価格競争を仕掛けてきているので、対抗しなければ!」とか、「現在の製品ラインナップでは対応できていない領域があるので、そこへの注力を検討しよう」など。
競争環境が厳しいからこそ、直面する課題への対応に追われ、「そもそもどんな生活者にどんな価値を届けるべきなのか?」といった検討に十分に労力を割けない、という難しさがあるのではないでしょうか。
真に「人」中心のマーケティングを実践する上で肝ともいえるのが、生活者情報をはじめとする、様々なデータの利活用です。そこでは大事なポイントが3つあります。
ひとつ目は「鳥の目」です。これは、生活者の大きな潮流や...
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