「ゆっくり茶番劇」で考える、商標権と著作権
先日、あるYouTuberが「ゆっくり茶番劇」という名称を商標登録(第6518338号)した上、「使用者に年間10万円の使用料を請求する」などと表明したため、大炎上となりました。
Q.マスコットキャラクターを作りました。認知度の向上のため、二次創作を認めたいのですが、よい方法はありますか。
本年3月、大阪・関西万博公式キャラクターのデザインが決定しました。「いのちの輝きくん(仮)」です。個人的には好きですが、インパクトのあるデザインで、賛否両論を呼びました。また、イラスト、漫画、ゲーム、ネイル、ぬいぐるみ、バルーンアートなどなど、様々なファンアートが登場し、話題にもなりました。少なくとも、クリエイターを巻き込み、注目を集めた点では成功と思えます。
一方、他人の著作物をファンアートなどの形で二次創作した場合には、著作権(翻案権)の侵害となり得ます。「いのちの輝きくん(仮)」には一定の創作性があり、著作物に該当しそうですので、理論的には、そのファンアートは著作権侵害になり得ます。
今回は、宣伝手法としてファンアートを許容する際の工夫について考えます。
ファンアートに対する著作権者の対応の1つに、無視又は黙認があります。「いのちの輝きくん(仮)」は、応募時に複数の展開イメージを示していたため、(少なくとも創作者との関係では)二次創作を許容するメッセージになり得ます。もっとも、無視や黙認は、不適切なファンアートには警告などの対応も...