社史の作成と著作権
先日、社史に関する高裁判決がありました(知財高判令和4年7月14日)。あるノンフィクション作家の大手自動車メーカーに対する不当利得の返還請求で、「書籍の内容が社史に無断で利用された」などと著作権侵害が主張されましたが、作家の請求は棄却されました。
Q.キャンペーンの一環として、商品の購入者にNFTを無償提供する予定です。利用するコンテンツの著作権者から、どこまで承諾を得ておく必要がありますか?
2021年、NFTは、流行語大賞にノミネートされるほど話題となりました。NFTは、ブロックチェーン技術を利用した、「偽造が困難な保有証明書付のデジタルデータ」など説明されます。NFT市場の今後には様々な見方がありますが、日本向けの新サービスも続々と予定されているなど、さらなる市場拡大も期待されます。
現状、イベントへの参加権や限定グッズ付のNFTもあります。今後、ブロックチェーン技術などの発展、手数料(Gas代などと呼ばれます)その他の負担の軽減などがさらに進むことにより、逆に、商品やサービス、イベント参加などの特典として、NFTが提供される事例も増えるように思っています。
第33回では、NFTの権利関係を取り上げましたが、今回は、NFTを無償提供するキャンペーンを想定しつつ、その際の権利処理について考えます。
多くのNFTは、写真、イラスト、動画などのコンテンツと紐付けられます。こうしたコンテンツは、創作性があれば、著作物となり得ます。NFTの発行には、通常、コンテンツの複製(コピー)、公衆送信(ネット配信)等が伴いますので、無許諾での又は許諾の範囲を超えたNFTの発行は...