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経済学の視点

結果予想が大外れ 衆議院選挙の事前調査から学べること

飯田泰之氏(明治大学)

サンプルサイズよりも対象者の抽出がリサーチの肝

去る10月に行われた衆議院総選挙。一部業界でその結果以上に注目を集めたのが新聞・テレビ各社の事前予想のパフォーマンスの悪さでした。ここまでマスコミの選挙予想が大きく外れた例は近年ありません。

これは各社にとっては、プライドやメンツだけにとどまらない大問題です。各メディアが選挙予想に多額の予算を投じるのは、選挙は数少ない「答え合わせができる」調査だからです。

各社が定期的に実施している世論調査・意識調査は、2000から4000人への電話アンケートで行われています。余談ですが、調査人数をサンプル数と呼ぶ人がいますが誤りです。正しくはケース数またはサンプルサイズと呼びます。

調査の結果、例えば内閣支持率が60%だったとしましょう。しかし、これだけでは日本の有権者全体の60%前後が内閣を支持しているかどうかはわかりません。調査対象・方法のせいで内閣を支持しそうな人だけに聞いたデータになっている可能性があります。

自社のサンプル調査と日本全体の傾向がどれだけずれているのか。それを確かめるためには全数調査が必要⋯ですが莫大な予算がかかるため、私企業では不可能。だからこそそれを国家レベルで実施してくれる選挙は...

あと60%

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