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プラネタリウムは「天文学の広告塔」? 大平貴之氏の広告観

大平貴之さん

小学生時代からプラネタリウムをつくり続け、ついには“プラネタリウム・クリエーター”という職業にまでした大平貴之氏。大平氏がプラネタリウムというメディアを通して伝えたいこととは。その思いを聞いた。

大平貴之(おおひら・たかゆき)さん
1970年川崎市生まれ。プラネタリウム・クリエーター。1991年、大学3年生でそれまで専門企業でなければ製作できないと言われていたレンズ投影式プラネタリウムを個人で完成。大学院を修了後、ソニーに就職。勤務する傍ら、個人でプラネタリウム製作を続け、1998年、従来の100倍以上の数に相当する170万個の星を投影できる「MEGASTAR」を発表。2004年「MEGASTAR-Ⅱ cosmos」が「世界で最も先進的なプラネタリウム投影機」としてギネスに認定。ソニーを退社し、2005年に大平技研を設立。日本大学優秀賞、川崎アゼリア輝賞、日本イノベーター大賞優秀賞(日経BP社)、文部科学大臣表彰・科学技術賞など受賞歴多数。大阪芸術大学客員教授。

コミュニケーション欲求は本能 広告とプラネタリウムの共通点

プラネタリウム・クリエーターとして、数多くのプラネタリウムを世に送り出してきた大平貴之氏。

1970年に神奈川県川崎市に生まれた大平氏は、小学生の頃にプラネタリウムづくりを開始。大学時代には個人では世界初となるレンズ投影式のプラネタリウム「アストロライナー」を開発した。

大平氏は就職後もプラネタリウム開発を続行。1998年には投影星数150万個(完成形は170 万個)という当時では世界最高星数の投影が可能な重量わずか27キログラムの移動式プラネタリウム「MEGASTAR(メガスター)」を国際プラネタリウム協会(IPS)ロンドン大会にて発表した。

「MEGASTAR」以前のプラネタリウムで投影できる星の数は9000個ほど。しかし、現在は数千万もの星を映し出す「MEGASTAR」は、肉眼では識別できないような小さな星の一粒一粒を、あるがままの小さな点状の星として忠実に表現することに成功している。

過去にはネスレ日本の「ネスカフェゴールドブレンド」にて、テレビCM「違いを楽しむ人・世界一のプラネタリウム『満天のプラネタリウム』篇」、「違いを楽しむ人・本物の星空『星降る大地』篇」に出演した経験もある大平氏。CM制作の現場に立ち会う中で感じたことに、「広告を通して発信し、伝えることの楽しさ」があったと話す。

「なぜ『楽しさ』を感じるのかというと、CMなどの広告は“社会とのコミュニケーション”であると考えるからです。人がつくっている以上、商品やブランドに無味乾燥なものは存在しないはずで、そこには理念や考え、思いがあります。それを、生活者に伝えるのが広告であり、伝えたいことが伝わった時、コミュニケーションが上手くいった時に感じる“喜び”は、人間が本能として持っているものなのではないでしょうか」と、大平氏は人が本来持つコミュニケーション欲求を最大限に発揮して届けるのが“つくり手”としての面白さであり、これが正常に発揮されることで、社会は豊かになっていくと考えを述べる。

大平氏は、これは自身のプラネタリウム開発にも通ずる感情であると話す。

「宇宙には数千億個の星が存在すると言われていますが...

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