広告のメッセージを深掘りすると見えてくる社会の問題 「歴史」というオブラートで包み、新たな視点を読者に与える
『童の神』『八本目の槍』や直木賞受賞作品『塞王の楯』などの作品で人気の歴史小説家、今村翔吾さん。2021年から書店経営も行い、2024年4月には、シェア型書店「ほんまる」もオープンした。「広告はネタの宝庫」として着想を得ることもあると言い、自らも広告を手掛けてみたいと話す今村さんに、広告のクリエイティブに期待することについて聞いた。
私の広告観
7月9日よりWOWOWにて放送されるWOWOWオリジナルドラマ『男コピーライター、育休をとる。』。監督を務める山口淳太氏に、ドラマに込めた思いからコピーライターという職業への憧れ、広告に対する考えを聞いた。
──現役コピーライターが驚愕した「育休」のリアル。それは、まだ男性の7%しか体験していない「旅」だった。
2019年1月に大和書房より発刊された書籍『男コピーライター、育休をとる。』がテレビドラマ化。WOWOWオリジナルドラマとして7月9日23時より放送がスタートする(WOWOWオンデマンドでは6月25日17時から第1話、第2話を配信)。
『男コピーライター、育休をとる。』は、本書の著者である電通のコピーライター魚返洋平氏が、自身が実際に体験した、男性会社員が育休を取得した中で感じた不安や奮闘、面白さに満ちた育休期間の6カ月を、笑いと涙で綴るハートフルコメディ。ドラマでは、主人公の魚返洋介役を瀬戸康史さん、妻の愛子役を瀧内公美さんが演じる。
監督を務めるのは、ヨーロッパ企画の山口淳太氏だ。山口氏はヨーロッパ企画の映像全般に携わるほか、映画『ドロステのはてで僕ら』やテレビドラマ『警視庁捜査資料管理室』、クリープハイプのミュージックビデオ『イト』などの監督としての実績を持つ。
過去にはテレビCMの監督も務めたことがある山口氏だが、CM撮影の現場に訪れた際に見かけたコピーライターの様子が印象に残っているという。
「CM制作には多くの役割の人がかかわりますが、コピーライターはそのクリエイティブ集団の中心にいる印象を強く持ちました。皆がコピーライターに相談するし、頼る。当初、コピーライターの役割は最初の企画をつくる段階が主で、文字原稿を書くだけなのかと思っていたのですが、CMが完成する最後まで携わるのだと知りました。ただただ、かっこいい仕事だと思い、憧れましたね。今回のドラマはそんなコピーライターが、コピーライターを“休業”し、育児という仕事をする、そんなお話です」と山口氏は話す。
原作では、育休をバカンスのような「休暇」ではなく、休業中に育児という別の仕事を「開業」する時間と表現。世の中には多くの“お仕事ドラマ”があり、登場するキャラクターたちは奮闘している。『男コピーライター、育休をとる。』も同様に、そんな奮闘をコミカルに描き、笑って泣けるエンターテインメントに...