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DXとマーケティング 話題の「言葉」を体得して実務に生かす、How To

「蔦屋家電+」に見る、理想の姿 メーカーが直接顧客とつながる

木崎大佑氏(蔦屋家電エンタープライズ)

「二子玉川 蔦屋家電」内に2019年4月にオープンした「蔦屋家電+」は、来たるべきOMO時代を見据えてつくられたリアル体験を追求したショールームだ。オンラインでコミュニケーションが取れるようになった現在、メーカーと消費者のリアルの接点を提供し、メーカーのOMO時代のマーケティング活動を支えている。「蔦屋家電+」プロデューサーの木崎大佑氏に話を聞いた。

    keyword 4 » OMO

    Online Merges with Offlineの略で、オンラインがオフラインを融合するという意味。オンラインとオフラインが融合した社会そのものや、オンラインとオフラインを融合してより良い顧客体験を提供していくマーケティング活動を指す。O2O(Online to Offline)やオムニチャネルとの違いは、購買行動だけでなく顧客のあらゆる体験を中心に設計する点にある。

モノを売る場としてではない コト提案を行うリアル店舗

OMO時代を見据えて、「日本初のネット時代の次世代型ショールーム」として2019年4月にオープンしたのが「二子玉川 蔦屋家電」内にある「蔦屋家電+(プラス)」。2015年に開店した「二子玉川 蔦屋家電」には、“これからのEC時代に生き残る店舗とは”という課題意識があったという。「二子玉川 蔦屋家電」、さらに「蔦屋家電+」のオープンに企画から携わった蔦屋家電エンタープライズ 木崎大佑氏は、「蔦屋家電」が目指す役割とは、家電やテクノロジーを通じた少し未来のライフスタイル提案にあると話す。

「『蔦屋家電』に先立ち、2011年に12月にオープンした『代官山 蔦屋書店』では、従来の書店のように本を『漫画』『雑誌』といったカテゴリーで分けず、ライフスタイルのテーマごとにカテゴリー分けしています。たとえば『食』というカテゴリーであれば、レシピ本だけでなく、食にまつわる漫画も陳列。このライフスタイル提案を家電と書籍、雑貨などの組み合わせで実現したのが『蔦屋家電』です。ライフスタイルと家電を掛け合わせることで提案の幅を広げ、モノを売るだけではなくコト提案を重視して発見や体験をしてもらう場所を目指しました」。

この「蔦屋家電」の中に、2019年4月「蔦屋家電+」がオープンした。「蔦屋家電+」は定額でショールームを持つことのできるメーカー向けのリアルマーケティングサービスである。商品の案内やインタビューなどの接客は「蔦屋家電+」のスタッフが実施するため、メーカー側が常駐する必要もない。顧客とリアルの場で接点を持つことができるため、インターネット販売のみの商品のプロモーションや、クラウドファンディング中の製品の展示、開発中製品の市場調査のために利用されるケースが多いという。

出展企業も様々で...

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