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DXとマーケティング 話題の「言葉」を体得して実務に生かす、How To

システムはツールではなくビジネス 業務効率化から価値創出のDXへ

田辺雄史氏(経済産業省)

経済産業省が2018年より実施する「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を踏まえて発表されたレポート「2025年の崖」で、日本企業におけるDX推進の必要性が示された。企業全体のDX推進において、マーケティング部門はどのような役割を担えるのか。経済産業省の田辺雄史氏に話を聞いた。

    keyword 1 » DX(実践:マーケティング活動のDX)

    「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、企業がデータとデジタル技術を活用して、商品やサービス、ビジネスモデルを変化させることで、業務そのものや、組織、企業文化を変革し、競争力を高めること。それにより、「顧客価値の最大化」を目指し、企業における普遍的な活動を、デジタル技術を使って実現すること。

本質は「顧客価値の最大化」 デジタルを駆使して実現を目指す

生活者がデジタルシフトしている昨今、その変化に合わせてマーケティング部門においてもDXの推進を掲げる企業が増えている。しかし、DXで実現すべきゴールが明確に描けていない企業も多いのではないか。

経済産業省 情報技術利用促進課の田辺雄史課長は、DXの定義について、「経済産業省が提唱するDXの目的とは、『企業の競争力を高める』ことにある。それは、すなわち『顧客価値の最大化』を目指すということ。この企業における普遍的な活動を、デジタルを使って実現するところにDXの本質がある」と話す。

またDXと聞くと、情報システムやデータ管理の話を想起しがちだが、そうした表面的なところから手を付けると、真の意味でのDXの恩恵は受けられない懸念がある、と田辺氏。

「日本企業はITをツールだと考える傾向がある。しかし、いま求められているのはITを使った価値創造、つまりはビジネスを創ることにある。いま企業が持っている技術やポテンシャルを最大限に生かし、より魅力的な製品・サービスを提供するためのデジタル活用施策であると考え、戦略を立てる必要がある」(田辺氏)。

DXの本質である「デジタルを駆使して顧客価値を最大化する」という前提を踏まえれば、顧客と最前線で向き合うマーケティング部門に期待される役割も見えてきそうだ。

「緻密さ」への執着が足かせに 日本的な企業文化が推進を阻む

スイスのIMDが出している「IMD World Digital Competitiveness Ranking 2019」によると、日本は国際的なDXランキングで23位と欧米よりも遅れを取っている状況も見えてくる。なぜ日本はDXの推進が遅れてしまったのだろうか。

日本のDXを阻む要因のひとつとして田辺氏は、日本人が昔から大切にしてきた商品に対する「緻密さ」や「正確さ」といった考え方が関係していると指摘する。「ものづくりの力で世界を席巻してきた日本企業は、正確さや緻密さを重視してきた。しかし、それがデジタル活用において足かせとなっている可能性がある」。

商品においても緻密さを求めすぎる日本企業は...

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