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DXとマーケティング 話題の「言葉」を体得して実務に生かす、How To

ソーシャルグッドと混同される!? 行動指針としての一貫性が鍵

曽原 剛氏(Death of Bad)

日本でも「パーパス」「ブランドパーパス」という言葉が、聞かれるようになってきた。しかし、日本では正しく理解し、活用できているのだろうか。日本でコピーライターとして活躍したのちロサンゼルスに移籍、2018年には現地でクリエイティブスタジオを立ち上げ、米国・グローバルの最前線に詳しいDeath of Bad曽原剛氏が「ブランドパーパス」について解説する。

    keyword 2 » パーパス

    「Purpose(パーパス)」とは、目的、意図、用途、(目的達成への)決心のこと。マーケティング活動においては、どのような製品・商品や戦略で何を目指すのか、その方向性や企業としての意志を指す。昨今、改めてブランドの存在意義を捉え直そうというアプローチで「ブランドパーパス」という言葉として使用されている。

「ブランドパーパス」とは「WHAT」ではなく「WHY」

「ブランドパーパス」は、ここ数年、広告界の至るところで耳にするワードのひとつになりました。しかし言葉の誤用や、「ソーシャルグッド」との混同などもたびたび散見されるように…。そこでこの言葉の誕生の経緯や、その定義やあるべき姿などを考えていきたいと思います。

ブランドパーパスとは、「そもそもそのブランドは、何のためにこの世に存在しているのか」という「WHY」に対する答えです。そのブランドが「何(WHAT)」を「どのように(HOW)」提供するか?から考えるのではなく、「存在意義(WHY)」から考える発想です。そしてブランドパーパスは多くの場合、創業者の想いや創業時のピュアな動機やパッションにそのヒントがあるかと思います。

ではなぜ、この「WHY」に対する答えを明確にすることが、最近になって重視されるようになってきたのでしょう。そこには大きく以下3つの背景があると思われます。

    ① ブランドがあふれる世界での新たな「差別化」要因として

    「WHAT」や「HOW」だけでは、他社商品・サービスとの違いを明確にできなくなったときの拠り所として。または、増えすぎたブランドを統廃合するときに使われる新たな社内の“ものさし”として。

    ② 「ステークホルダー」が多様化しているから

    株主、従業員、顧客、取引先といった直接的な利害関係者のみならず、インターネットの普及などを背景に、ステークホルダーが多様化。企業は地域、社会、環境といったあらゆるテーマの社会課題に対し、意義ある行動が求められるようになっている。

    ③ 人々が求める「成功」の尺度が変わってきたから

    特に若い世代にとって、働きたい会社を決める要素に「企業文化」や「社会や世界への貢献度」が重視されるなど、売上や利益、規模だけが成功を図るものでなくなってきた。

私が住む米国でも、ブランドパーパスに関する議論は活発にされていますし、特にこれからの社会や世界をカタチづくることを目指した多くのスタートアップでは、この「WHY」をしっかり考え、定めることを大切にしていると感じます。

しかし...

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